いよいよ暦の上では9月になり、夏が終わりましたが、まだまだ残暑ですね。


今回は、脊椎外科医 (あえて整形外科ではなく)としてキャリアを積む上で、

どういった留学を目指すべきなのか

について考えたいと思います。




「整形外科医」ではなく、あえて

「脊椎外科医」

としたのには理由があります。



それは、脊椎外科は多様な種類の手術があり、
かつその診断や治療のタイミングが整形外科のその他の領域以上に
重要な分野だと考えているからです。


つまり、脊椎外科は整形外科の他の分野以上に

臨床のウェイトがかなり大きく、
特に手術について勉強することが極めて重要である

と私は思っています。



そういった点から脊椎外科医の留学を考えた場合、
個人の印象として



臨床に直結した留学



を行う必要がある、と結論づけました。






留学といえば、 一般的には
基礎研究」留学のことを指すと思います。

つまり、大学院などでの基礎研究の延長(いわゆるポスドク)
として留学する、という方法です。



これだと


1. 大学の研究室のコネを利用しやすい

2. 留学先からの給料も得やすい

3. 日本人であっても その能力を正当に評価してもらいやすい



などの利点がある思います。


私も大学院で3年半の間、
生体材料に関する基礎研究を行ってきましたが、

自分が脊椎外科を志すのでなければ 
基礎研究を海外でやってみたい

と思います。



しかし、上記の脊椎外科の特徴を考えると、

貴重な留学の時間を脊椎分野から完全に外れた内容に充てるのは得策ではない

と個人的に考えています。 


これは、今私自身が大学院に在学して、
臨床から離れて少し焦っていることが原因の1つです。


この数年で脊椎外科の手術は変遷を遂げており、
特にOLIF, XLIFなどの側方アプローチでの固定術などは一気に広まっています。


そういったものを目の当たりにして、
技術や知識のアップデートを行う必要性に迫られている
という点です。


さらに今後はロボット支援手術や頚椎人工椎間板なども
欧米から導入される可能性もあり(既に導入されているものもあり)、
間違いなく日々進化していきます。


つまり、留学するのであれば



脊椎外科を十分に学べる、最先端のところに行くべき



と思います (あくまで個人の意見です)。



そして、私個人が思う、臨床分野での留学先を決めるポイントは、



1. 世界的に有名な先生 (特に自分のサブスペシャリティーにしようとしている分野の先生) がいる

2. 前任でおられた先生 (日本人) がしっかり業績 (論文) を残している



です。



なお、私自身は来年4月からアメリカのとある施設での留学を予定していますが、
上記のポイントを満たしていましたので、
それを決め手に、留学の申込みを決意しました。







まとめ

脊椎外科医を目指す上での留学についてまとめました。

脊椎外科医なら、やはり臨床を重視すべきだと思いますし、
臨床に直結した留学を行うべきのではないかと思います。


今回は少しマニアックな内容でしたが、お読み頂きありがとうございました。