一人前の脊椎外科医を目指して

医師12年目ぐらいの整形外科医が、一人前の整形外科医・脊椎外科医を目指すブログです。研究留学・論文・資産形成・備忘録などを載せていきたいと思います。 現在、米国spine centerへの臨床留学から帰国後、現在は某地方都市で整形外科医として勤務しています。

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以前の記事に、脊椎に関しての参考書を紹介させていただきましたが、今回は


医学論文 (特に, 英語論文)の執筆


に関して 、私が特に勉強になった、
是非他の先生にもオススメしたい参考書をご紹介したいと思います!

ちなみに、僕の英語論文作成歴 (first authorとして) ですが、
医師9年目で2本の英語論文があり、3本の英語論文を現在投稿中です。

その僕が勉強になった参考書を挙げていきます。







1. 臨床研究立ち上げから英語論文発表まで最速最短で行うための極意


循環器内科がご専門の 原 正彦 先生が執筆された参考書です。
この参考書を特にオススメしたい理由は,


・ 研究したい!論文書きたい!とモチベーションを高めてくれる 
・ クリニカルクエスチョンから論文作成・投稿まで, 若手医師でもそれほどハードルが高くない内容で, 出来そうな気にさせてくれる



が大きな理由です。

世間には多くの医学英語論文の参考書が発売されていて、

私もそれなりに多くの本を読んできましたが、

臨床研究をやりたい!

って思わせてくれる本は、この本が1番だったと思います。


それは、著者の原先生が、
他の本の著者と比べると若手の先生 (医学部平成18年卒とのことです)
であるということ(私よりは医師として先輩ですので恐れ多い表現でスミマセン) と、


比較的若手の先生にも関わらず
業績がスゴイ、
論文を書きまくっている、
そして臨床研究学会などの立ち上げにも参画しておられる

などの点もあるのではないかな、と思いました。


ただし、内容としては入門書といった感じなので、
何本か既に書かれている先生には少々物足りないと感じそうです。








2. 必ずアクセプトされる医学英語論文 完全攻略50の鉄則


東京大学臨床疫学の康永秀生先生の著書になります。
クリニカルクエスチョンの立ち上げから
英語論文の書く際の注意点や心構え、
さらには英語論文の読み方まで言及されている、
まさに指南書です。

この本のオススメしたい理由は


・ 実際の英語構文の書き方まで言及していて、すぐに実践できる内容が多い (平易な英語構文の推奨)。
・ 各パートの鉄則、投稿に関わる情報について、詳細に言及している。
・ Revise後のeditorとのやり取りなどの解説が詳しい。


という点です。
とにかく具体的に書いてある、というところがこの本のスゴイところで、
この著書を横に置いて論文を書くのが良いと思いますし、
自分もそのようにして論文を書きました。

論文は simple is best なんだと気付かされる名著です。









3. 時間がなくても、お金がなくても、英語が苦手でも、論文を書く技術


この著書のコンセプトは、
いかにコスパ良く英語論文を仕上げるか
というところで、そのための方法が惜しみなく記載されています。

Google翻訳の上手な活用方法から、
研究テーマの設定のためのビジネス思考など、
単なる英語論文の粋を超えて、
日常診療などにも役立つ知識が豊富に書かれています。

特にこの本が良かったのは、

・ 著者の実践的な経験談をベースにして書かれてある
・ 分量を抑えていることで、すぐに通読することができる

点でしょうか。上記2冊の本もそうなのですが、
こういった how to 本は分量の多いものが多いのですが、
これらは重要な部分のエッセンスを記載してあるので、
忙しい先生方でもすぐに通読できてしまうところがいいところです!








論文の執筆には統計学的な知識は必須になりますし、
統計学についての勉強も必要にはなりますが、
今回は医学統計に関する参考書は除外して、
「英語論文執筆」に関しての有用な参考書を挙げてみました。


ご意見・ご感想などあれば記入してもらえれば嬉しいです。
よろしくおねがいします。 



 

今回は、脊椎外科を専攻すると決めてまだ間もない私が、
勉強しておすすめだった書籍(参考書)を紹介します。

若い先生方は、ぜひ参考にしてみてください!
では、早速行きましょう。







1.  脊椎脊髄病学

脊椎外科の分野で第一線でご活躍されている、
大阪労災病院の岩崎先生が書かれた本です。

脊椎疾患の診断法、検査法から治療法に至るまで、
多くの文献を参照されながら非常にわかりやすくまとめられている本で、
これから脊椎疾患について勉強される先生方は必読の書だと思います。

ちなみに私は卒後3年目の時に第1版を購入して、
半年ぐらいかけて読破したのですが、
2年前に第2版が発売されており、
そちらも購入して知識のアップデートに努めました。

何度見ても気付きも多く、またその文献に当たることもできますので、
非常にお薦めです。

また、参考書として調べる際に使うことも可能だと思います。



脊椎脊髄病学 第2版
岩崎 幹季
金原出版
2016-09-28

 



2. 整形外科医のための神経学図説

脊椎外科分野では、神経高位を理解することが
当然ながら非常に重要になります。

どの筋力・どの知覚・どの反射が どの高位を調べているのか、
これが頭に入っていないと、その患者さんの痛み・しびれの原因を理解することは困難だと思います。

その障害レベルをわかりやすく、かつ体系的に理解するのにこの本はもってこいです。

もともとはHoppenfeldの原著があるのですが、
日本語訳が充実しており、必読だと思います。

私はこれを読みつつ、絵を書きながら障害レベルを覚えていきました。





 




3. 脊椎手術解剖アトラス

福島県立医科大学の菊池先生が書かれた本です。
菊池先生が解剖学で集められた知識・アトラスを余すことなく書かれており、
その美しさと分かりやすさに読んでいてむしろ感動すら覚えます。笑

手術を行う上で、当然ながら解剖を正確に熟知していることは必須だと思います。
ただ、意外と脊椎の解剖アトラスを詳細に記載してある本は、上肢や下肢と比べると多くありません。

特に手術アプローチ:前方、側方は、これからの脊椎手術では多くなると思いますし、
他臓器との位置関係や解剖を知っておくことが必要です。

その需要にもこの書籍は応えており、解剖が大好きな私は、
この本を眺めているだけで時間が過ぎてしまいます。笑

ちなみに、脊椎のキャダバートレーニングの際にもこの本が大活躍でした!



脊椎手術解剖アトラス
菊地 臣一
医学書院
2017-05-10
 

 



4. 脊椎脊髄の手術

整形外科・脊椎外科といえば、やはり手術ですので、
その手術用の参考書です。

脊椎脊髄ジャーナル」雑誌で連載されている、
「イラストレイテッド・サージェリー」をまとめられた本になります。

この本の特徴は、
とにかく絵がキレイ!!!!!
これに尽きます。笑

また、展開以外にも手術体位・術後管理・後療法などについても言及されており、
私達の知りたいところに手が届くような本になっています。

それに、術式の記載も多岐に渡っているので、
それもすべて込みで24,000円であれば (もちろん高価ではありますが)
その価値は十二分にあると思います。






 

5. Critical thinking 脊椎外科

こちらも世界的に第一線でご活躍されている
三井記念病院の星地亜都司先生がご執筆された本です。

日常診療での疑問や、落とし穴 (神経内科疾患との鑑別など)について、
わかりやすく、面白く書いておられていて、とても勉強になる本です。
上に挙げた本と比べると、参考書と言うよりも、
どちらかと言えば読み物で、面白くて気がつけば読み終わっているような本です。



Critical thinking脊椎外科
星地 亜都司
三輪書店
2008-03-01





6. Rothman-Simeone and Herkowitz's The Spine

最後は英文の参考書を挙げておきます。
Spineの参考書で、おそらく最も世界的に有名な参考書が、
このRothman-Simeone The Spineだと思います。
診断、治療からバイオメカニクスなどの基礎領域まで、
とにかく詳細に脊椎分野について網羅してある本で、
ボリュームもありますが、読んでいて飽きません。

さすがに通読は私もできていませんが、
何か問題点に当たった際にはこの本から調べています。

また、ExpertConsultを経由して
ネットから電子書籍として読むことも可能ですので、
(スマートフォンのアプリからも読めます)

手術動画などもネットから閲覧することが可能で、
常に持ち運びをする必要もなく便利です。

ちなみに、リンク先のThe Spineは第7版で、
昨年出版されたものでして、私が持っているのは第6版ですので、
updateするか迷っております。値段は張りますが、その価値は十分にある本です。




 


 

以上になります。
この他にも、また面白い本・勉強になった本があれば
適宜記事にしたいと思います。

よろしくおねがいします。
 


 

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