一人前の脊椎外科医を目指して

医師10年目の整形外科医が、一人前の整形外科医・脊椎外科医を目指すブログです。研究留学・論文・資産形成・備忘録などを載せていきたいと思います。 現在、米国のspine centerに臨床研究目的で留学中です。

カテゴリ: 英語

前回記事では、次のロールモデルを考え、
必要な英語の学習方法について考えてみました。



 医師5年目の整形外科医。一度は英語論文を書いてみたいと考えている。また、留学も将来的には視野に入れたい。



これに対して、以下のような戦略を取りました。


 ① 英語論文の執筆: 整形外科分野の英単語知識 + 論文を書くための英語

 
 ② 留学英語資格の取得 → TOEFL や IELTS に向けた英語学習



前回は、① についての具体的な方法を見ていきましたが、
今回は、② についての方法を見ていきたいと思います。







まず、「留学」と一口に言っても様々です。


例えば、



・ USMLEなどの医師国家資格を取った上で、
  海外で医者としてバリバリやっていく、ための留学

・ 日本で 医学博士 (PhD)を取得し、
  その研究の延長 (いわゆるポスドク) として留学する方法

・ 私のように、臨床研究を目的とした留学

・ 公衆衛生学修士 (Master of Public Health; MPH) を
  海外の大学院で取得するための留学



などなど、多くの選択肢があります。


医師5年目の整形外科医 (重ねて書きますが、4年前の僕です) が、
その時点で既にどういった留学を目指すのか、その方針を固めていれば
それに突き進んでいけば良いとは思うんですが、、
僕は当時はそんな事は全く考えておらず、ただ漠然と

「人生で一度は留学してみたいなぁ〜〜」 

みたいな考えしか持ち合わせていませんでした。


ただ、そんな僕でも先輩医師や本などから感じていたことがあって、それは


・ 留学できるかどうかは、様々なの要素が強い

・ そして、その運 (=チャンス) が巡ってきた時に、
  チャンスを掴めるように準備できているかどうか 


これが重要だろう、と思っていました。


「どのタイプの留学が自分に出来るかどうかはまだ決めなくていい。」

「その代わり、準備は万端に、つまり、
  そのための英語学習をしておくんだ!」


こう考えていました。そして、それが

 英語資格を取ること 

だと思います。

つまり、
いざ留学行って来いと言われても、英語が出来ていないと意味がない。

そして、その「英語が出来ていない」とは、

日常英語ではなく、
自分の英語スキルを証明するものがない 

ということになると思います。


自分の英語スキルを証明するものとして、

TOEFL iBT や IELTS

が 必要だと考えたのです。


なお、なぜ僕が IELTS を勉強することになったのかは、
この記事に詳しく書きましたので、是非ご覧頂ければと思います。
 





まとめ

4年前の自分に戻ったつもりで、
医師5年目の整形外科医をモデルにして、
英語学習の戦略について考えてみました。


もし私と同じような境遇の先生方がおられましたら、
是非ご参考にして頂ければ嬉しいです。


お読み頂きありがとうございました。
 

前回記事の続きになります。


前回の記事では、英語の学習には


「目的意識をしっかりもつ」


ことが重要であることを書きました。



漠然と英語の勉強を開始する (例えば、本屋にあるような英会話の本やラジオ英会話の教材などを闇雲に始める) ことは得策ではありません。

始めようと思い立った時や、本を購入した時などはモチベーションが最も高い時ですので、それはいいのですが、そのモチベーションがずっと長続きすることは まず ありえません。

自分の目的に合わせた、焦点を絞った学習が必須です。


そこで、次のロールモデルを考え、必要な英語の学習方法について考えてみたいと思います。



 医師5年目の整形外科医。一度は英語論文を書いてみたいと考えている。また、留学も将来的には視野に入れたい。



前回も書きましたが、これは4年前 (大学院入学前) の私になります。

この時、私は英語の学習を開始するに当たって、以下の事を考えました。



 ① 英語論文の執筆: 整形外科分野の英単語知識 + 論文を書くための英語

 
 ② 留学英語資格の取得 → TOEFL や IELTS に向けた英語学習


これについて、1つずつ考えていきたいと思います。






① 英語論文の執筆


英語論文を書こうと思うと、当然ですがpublishされている英語論文をちゃんと読んで理解できる力が必要です。特に、 論文の最初のパートである introduction では、

「これまでの研究や論文で明らかになっていること」
そして、「未だ明らかになっていないこと」を簡潔にまとめた上で、研究の目的がそれに沿ったものであるかどうかを記載します。

この時点で 、過去の論文をきっちり理解することが当然ながら必要です。


英語論文の文献のまとめ方については、今後別の記事で書こうと思っていますが、今回は、論文を「書く」ことを意識した論文の「読み方」について まとめてみます。



英語論文を書いていてまず思うことは、英語論文は「英借文」である、ということです。

過去の論文から全てを引用してしまうと剽窃 (plagiarism) になってしまいますが、英文の構文や言い回しなどは、非ネイティブの僕たちには理解しづらいものなので、使えるところは利用させてもらおう、という意味です。


また、単語そのものも、当然ながら専門用語が多く飛び交いますので、それらを知っておかないと論文を読めないし、書けません。

そして、当然ながら過去の論文の正確な理解と、それをできるだけ短時間で出来る能力が必要です。


以上から、僕が英語論文の執筆の為に必要な英語学習として立てた戦略は、



 A.  英借文 (Writing)

 B.  専門用語の英単語 (Writing)

 C.  過去の論文の正確 かつ 短時間での読解 (Reading)


になります。





 A.  英借文 (Writing)


まず本文の4つのsection (introduction, materials and method, results, discussion) ごとに分けて、そこで使われている表現をWordファイルや手書きのノートに書き出すようにしました。

例えば、 intdoductionでの表現で、自分の研究の目的を示す構文として、

" In the present study, we aimed to elucidate …(研究内容)."

みたいな形で、 自分が使えそうだと感じる「カッコいい」表現を書き出しました。

以前に紹介した英語論文で参考になる書籍でも例文が多く載っているのですが、それをアレンジする形で加えていきました。



B.  専門用語の英単語 (Writing)


これも同様に、 Wordファイルや手書きのノートに書き出す形式を取りました。

ただ、これで僕が注意していたのは、単なる単語だけではなくて、その定義や分類なども余裕があれば書き出していました。

例えば、脊椎の矢状面バランスの論文には

"Pelvic incidence (PI)" "Sacral slope (SS)" "Pelvic tilt (PT)" "Sagittal vertical axis (SVA)" "Thoracic pelvic angle (TPA)"


などなど多くの専門用語や略語 が飛び交うのですが、その単語の定義がどの論文に載っていて、もし記載するならどの論文から引用してくるといいかどうか

についてもメモしていくようにしました。後々自分が論文を書く時に便利だと考えたからです。



C.  過去の論文の正確 かつ 短時間での読解 (Reading)


これが最も難しいところですね。

僕はまずは短時間で読解できることを目標に、論文を読む練習をしました。


まず、特に時間のない時は、abstract だけを読んで論文の概略を理解し、それが自分の必要とする論文かどうかを判断します。

この時点で5割ぐらいはその論文の理解が出来る印象です。


次に、introductionの最後のパラグラフ, resultsのfigureとtableがついている部分, discussionの各パラグラフの1行目, conclusion を読んで理解できれば (良い論文は)7-8割ぐらいは理解できていることがわかりました。


もちろん論文を書く際には materials and method の部分が重要で、統計の知識ももちろん大事なのですが、まずは理解を追いつかせるということで、この部分をサッと読んで理解できるようにしました。


ちなみに、僕の場合 論文にアンダーラインはあまり引かず、上記の使えそうな文章や単語だけチェックを入れていました。




まずは A, B,Cのこの3つのタスクを行えば,  論文に関する英語力はそこそこ良くなると思います。

実際に 私は卒後5年目の際に、この方法を実践して、論文をだいぶ早く正確に理解できるようになりました。

もし良ければ実践してみて下さい (^^)




②の留学のための英語学習については、次回の記事にまとめます!
 

今回は、「英語の学習」特に、

「何のために英語を学ぶのか?」


について考えてみたいと思います。





先日、研究室の納涼会に参加した際に、ちょうど医学部4年生の学生さんが早期研究プログラムで整形外科に来られている、ということで、同席する機会がありました。


そこで、「もっとやっとけば良かったと後悔していることは?」
という話になり、そこに居た全員が、偶然にも

「英語の勉強」


という答えで一致しました。


確かに医師になると、英語と接する機会が非常に多くなりますし、実際に私も現在進行系で留学について進めているところですので、まさに実感するところです。

ただ、英語と言っても、それは一つの言語ですし、勉強するにもあまりにも範囲が広すぎます。あえて例えるなら、「医学を勉強する」みたいなものでしょうか?


ですので、英語の中でも、


「何のために英語を習得する必要があるのか?」


にフォーカスを当てることが極めて重要だと思います。 


例えば、


 A) 医師5年目の整形外科医。一度は英語論文を書いてみたいと考えている。また、留学も将来的には視野に入れたい。


というモデルを考えてみると、


 ① 英語論文の執筆: 整形外科分野の英単語知識 + 論文を書くための英語

 ② 留学:英語資格の取得 → TOEFL や IELTS に向けた英語学習


というように、 目標を絞ることが出来るので、それに合わせた英語学習の計画を立てることができます。


逆に言えば、ここに「日常英会話」や「ビジネス英会話」などの学習を計画してしまうと、 範囲が広くなりすぎてしまい、収穫のない学習になってしまう可能性もあります。

 
次に、


 B) 特に英語論文などは書かないが、海外旅行での英語を上達させたい。

 
これであれば、 


 日常英会話の上達:(レベルにもよるが) NHK基礎英語の学習 や、シチュエーションを意識した学習


といった風になると思います。 





まとめ 


英語の学習方法について、その戦略を考えてみました。

ただ「英語」と言っても、あまりに範囲が広すぎます。自分がどういった機会で英語を使用し、そして何を目的に上達させたいのか。

それを意識することが極めて重要だと思います。



ちなみに、 ロールモデル A) は私の大学院入学前 (約4年前) の状況です。


A) の私は、実際に上記の目標を立てて英語学習を開始したのですが、
その具体的な方法については、次の記事にまとめたいと思います。


前回記事の続きになります。


 IELTSの勉強を開始してしばらくした後に、

偶然にも国内の学会でオーストラリアの意中の病院の先生が

講演に来られることがありました。


そこで、その講演を最前列で聴き、

質問もしてアピールした上で、

講演終了後に直接アタックし、


大学院卒業後に是非あなたの施設で勤務したい

ということと、

それが可能かなのかどうか


思い切って尋ねてみました。




その先生の返答は、


気持ちはwelcomeだが、大学院を卒業する頃にならないとわからない,

病院の整形外科の人員(フェロー)の枠にもよるので、

それまでにIELTSの資格をクリアして欲しい



という返事でした。



自分としては、頭からダメだと言われる可能性が高いと思っていたので、
良い意味で予想外で嬉しかったことを覚えています。






そこから3年の月日が経ち、

今年になってその先生が再度来日されて講演される

機会がありましたので、講演終了後に再度アタックしました。


幸いなことに私のことを覚えておられていて嬉しかったのですが、

現時点でのフェローの枠がなく、

翌年の4月から受け入れられるかどうかの

明確な返事は出来ない、

と言われてしまいました。




ここで、自分のプランは一旦白紙になったわけですが、

諦めきれない私は他の手段を考えることにしました。


それは、


1. AO Spine Japan fellowship の制度を利用して、

短期でもいいので臨床留学 (最長3ヶ月)


2. 他のコネをとりあえず探す



この方向にシフトすることを考えるようになりました。



大学院卒業後、例のオーストラリアの施設の空きが出るのを

待つのも1つの手だとは思ったのですが、 大学院を卒業すると、



医局からどこに赴任するように言われるかわからない!

そして、

その施設で多忙になると、留学どころではなくなってしまう可能性が高い!



そういう点を考慮すると、

この大学院卒業のタイミングで何としても留学したい!!

と考えました。




そこで上記の両立て戦略で様々な方向にアプローチをしていた矢先、

私の尊敬する先輩医師が行っておられた留学先から声をかけてもらって、

留学の方向に話を進めている、という経緯になります。






当初の予定からは大きく方針は変わってしまったのですが、

IELTSを勉強することは間違っていなかったように思います。



現在考えている留学先でも、英語力の証明を求められ、

IELTSでの評価で問題なかったですし、

実はTOEFL-iBTよりも点数は取りやすいように思います。



将来、自分がどのような道を歩んでいくか分かりませんが、

オーストラリアなどへの臨床での勤務は諦めていないですし、

まずはアメリカへ留学して揉まれて強くなろう
と思います。

 
 

前回記事の続きです。


オーストラリアは各州によって異なりますが、

基本的にはLicenseというものはなく、

Registration
という形で医師登録を行う形になっています。



Registrationには2種類あり,

Limited registration
Full registration というものがあります。





Limited registration (暫定登録)は,

例えばsubspecialityで必要の高い分野や、

臨床研修、指導や研究目的などでの暫定登録があり、

私がオーストラリアの先生に聞いたところでは、

3年間は勤務(診療)可能
になる、ということでした。



その中で、3年以上にわたって働く場合には

full registration
が必要であり、

Australian Medical Council (AMC)の行う

試験に合格することが必須になるようです。


(ただ、specialityの高い分野では、

AMC examinationに合格しなくても、

それに代わる技能や資格を持っていれば

full registrationが受けられるようですが、

詳細は私もあまり知りません)



したがって、USと比較すれば、オーストラリアのほうが

臨床医としてやっていくにはハードルがずいぶん下がるのですが、

一つ問題があります。それが、


英語力の証明です。




前置きが長くなりましたが、この英語力の証明について、

一般的には次の2つのいずれかをクリアすることが必須になります。



A) IELTS academic module : 1回のテストで、すべての sectionで7.0以上
 
B) Occupational English Test (OET) : 4つのすべてのsectionでA or B以上


ということでした。


IELTSは一般的な分野の試験ですが、

OETは医療従事者向けの試験で医療系の会話や、

診断書の記入などのsectionもあります。





この時点で、どちらを選択するか考えたのですが、

まだ勉強を行う時点ではオーストラリアでのコネはないし、

OETのテストも入手した(HPで見ることは可能)のですが、

あまり自分に合ってなさそうだったこともあり、



もしオーストラリアへの留学が難しくなっても、

全世界的に自身の英語評価として使える

であろうIELTSの勉強を行うことに決めました。
 


この続きは、また次回記事で。
 

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