一人前の脊椎外科医を目指して

医師12年目ぐらいの整形外科医が、一人前の整形外科医・脊椎外科医を目指すブログです。研究留学・論文・資産形成・備忘録などを載せていきたいと思います。 現在、米国spine centerへの臨床留学から帰国後、現在は某地方都市で整形外科医として勤務しています。

カテゴリ: CV

以前の記事で紹介させて頂いた、AO Spine Japan fellowship program

ですが、先日AO Spineの事務局からメールがあり、無事に選出して頂きました。


hands-220163_1280



もとは と言えば、留学予定先のresearch coorinatorから


「 Grantを取ってくることが強く望まれる」


と言われた事がきっかけで (以前の記事をご参照ください)、かつ、

この留学についても、先方でのselectionを経て選ばれるという不確かな事でした

ので、私のこのfellowshipの応募目的としては


1) もし留学先から留学を却下されたとしても、短期留学で学びに行くことができる


2) 留学が本決定したとしても、AO Spine fellowshipは "stipend" と呼ばれる

支給があるため、 これに選ばれる = 一種のgrant を取ったことと同価値がある

という事がありました。 



実際には、 幸いにして1年間の留学も行ける予定となり、今回のAO Spine fellowshipも

選んで頂けたので、2) を達成することが出来たことになります。


(※なお、留学先から短期留学するというヤヤコシイことになるのですが、

これはAO Spine事務局に事前に問い合わせたところ、問題ないという返事でした)




これで、留学先にも grant (stipend) を取ったという事実を掲げて行くことが

できそうです。 


ただ、stipendは本当に補助金でそれほど大きい金額でもありませんので、

自身の研究のこれまでの成果とこれからの予定をアピールして、

他の留学助成財団への応募はしていきたいと思っています。

 
 

また、 今回のAO Spine fellowship programや留学先へ提出した私のCV (英文履歴書)

について、プライバシーに関わる部分は修正し、その書き方について解説を加えたものを

noteにアップロード致しました。


有料にはなりますが、ご興味のある方、また留学を今後考えておられる方は

是非ご購入して頂ければ嬉しく思います。宜しくお願い致します。




 

前回記事の続きになります。



5. Research experience

このパートは、自分の研究内容を主に記載しますので、
ある程度の概要を書くことになりますが、
前出のawardなどを取った研究や、
科研費・奨学金などを取得した研究については、
そのこともアピールしておく方が良いと思います。

また、他学部や企業などとのコラボレーションをした研究についても、
その旨を入れておく方が良いでしょう。

そうすると、他職種との協調性や職務を円滑にできること
アピールできますし。

それと同様に、例えば多施設研究で自分が論文執筆などで
主に関わったりした場合も、良いアピールチャンスだと思います!

多施設研究はこれから多くなってくると思いますし、
そこでkey personとしてまとめ上げていれば、きっと高評価でしょう。




6. Publications

ここは、特に小細工なしで書くしかないパートだと思います。

一般的な評価は
「英語論文(impact factorあり)>英語論文(impact factorなし)>>日本語論文」
ですので、
impact factorのつくジャーナルへの投稿、そしてアクセプトを目指すしかありません。

ここが最も根気のいるところですね…

また、あまりに数が少なくて困る場合には、
共著者として入れてもらった論文も加えるといいかも知れませんね。
特に英語論文のco-authorだと良さそうです。




7.  (Academic) Presentations

いわゆる学会発表ですが、他にもシンポジウムや、講演等も含まれます。

私のように若手のうちは、学会での一般口演やポスター発表がほとんどだと思います。

「英語発表>>日本語発表」

ですので、やはりここも、頑張って海外学会に参加して発表することが肝要になります。




8. Examinations

ここは、私自身が最も学生時代からやっときゃ良かったなと後悔したところです

特に、USMLEのスコアなどは一番のアピールポイントになりますし、
そうでなくともTOEFLやIELTSなどのスコアは、
(いいものだけ)載せるのにはもってこいだと思います。

ちなみに、これは英会話の先生から教えてもらったのですが、
一般的に英語圏の国の大学や大学院で認知される、
英語力を証明できる資格はTOEFLかIELTSのようです。


日本だとTOEICや英検もありますが、始
めから海外でのキャリアを考えているのであれば、
そのどちらかの勉強をするのがいいかと思います。

例えば海外のMPHを受験する際には、
TOEFLとGREという2つの試験が必要になりますし。




9. Professional associations

整形外科医 (脊椎外科医) の場合だと、
日本整形外科学会(JOA)や日本脊椎脊髄病学会(JSSR)などでしょうか。

海外学会のmemberであれば、その方が評価は高いとは思いますが、
ここは自分でもあまり気にせず記載していました。




10. Special skills

もしプログラミングや何らかのスキルがあれば、アピールになると思います。

私の先輩医師は、ここに
有限要素解析のツールである「ansys」のトレーニングを受けて
userとして使えるということを記載しておられ、流石だなと思いました。

他にも、基礎分野だとRT-PCRやWestern blottingなどが出来るなど、
そういったスキルも記載すると良さそうです。








まとめ

例えば学生時代から、USMLEの試験に合格し、
基礎のラボに出入りして何らかの成果を積み上げていれば、
非常にアピールも大きいCVになるのでしょうが、
僕のような体育会系の頭では到底ムリでした。笑


そこで、医者になってようやく頑張りだした僕が、
もし研修医に戻れたとしてCVを真剣に考えたらどうなるのか
と思ったのがこの記事を書いた動機になります。


で、その結果、思ったことは、

「いかにチャンスを掴むか」

が大事なんじゃないかな、と感じました。


「チャンス」

とはつまり
学会発表のチャンスだったり、海外学会の発表のチャンスだったり、
論文執筆のチャンス、さらにはその最たるものがawardの獲得だったりすると思います。


普段からそういった事にアンテナを張っておき、
上級医や教授などからのチャンスがあれば
いつでも引き受けられるように準備をしておく

それが充実したCVを作成する秘訣
なのではないでしょうか? 



長い記事になってしまいましたが、 
最後までお読みいただきありがとうございました m(__)m

世間はお盆で相変わらず暑いですが、

私はお盆も関係なくバイトに研究に勤しんでいます…


最近CV(履歴書)を提出する機会が多くあり、

そこで自身のhonor/award欄が寂しいことに気付きました。


きっと卒後間もないと、みなさんそういった事に悩むこともある

のではないかと思います。


そこで、今回は、

自分のアピールポイントが充実したCVを作成するために、

どういった事にチャレンジするのが良いか?

を考えてみたいと思います。


※ 当たり前ですが、CVを埋めることが目的になってはいけないと思います。

あくまで、医師としてのキャリアを積む中で、CVが充実するようになるには、

どこに気をつければ良いか、
というのが私の観点です。



まず、CVに書く内容について、見ていきたいと思います。


CVの形式は基本的に自由なので、型通りのものはありませんが、

およそ以下のものが含まれると思われます (私のCVの書式に合わせています)。



1. Education
MDやPhDについて記載します。

2.  Postgraduate training
卒業後の研修病院や、研修内容などについて書きます。

3.  Licenses / Certifications
医師免許、専門医資格やその他の資格について書きます。 

4. Honors / Awards
受賞歴や表彰歴についてです。

5. Research experience
これまでに何らかの研究に携わっていれば、その研究歴などを記載します。

6. Publications
論文に残した業績を主に記載します。

7.  (Academic) Presentations
学会発表での業績を書きます。

8. Examinations
USMLEやTOEFL, IELTSなどの資格でのスコアを記載します。

9. Professional associations
入会中の学会などについてです。

10. Special skills
その他、自分の特技などを記載します。



これらの内容を充実したものにするために、何ができるか、そして何をすれば良かったか
を見ていきます。







1. Education

ここには出身大学、そして現在在学中であれば、
その在学歴、さらには学位を取得すればその内容を書きます。
ここはあまりこだわるのは難しそうですが、私は

大学での部活歴と、その成績(東医体 or 西医体)

を記載しました。特に、私は幸運なことに体育会系の部活の西医体で
副キャプテン時に優勝することができたので、その内容を記載しました。


大学在学中に何らかの賞や功績などがあれば、それが良いですね!




2. Postgraduate training

ここは色々と書けることが多いパートです!

研修病院では、例えば救急病院の規模や、
そこでの診療実績、特に当直実績などを記載できますし、
もし研修医でチーフレジデントなどをしていれば
大きなアピールポイントになると思います。

研修医で何らかの実績があれば、その事もしっかり書きましょう。


その後の赴任病院でも、
例えば症例数がどれぐらいだったか、とか、
何らかの特化した病院(整形外科領域で行くと、腫瘍・スポーツ・小児などに特化した病院など)
であればそこでの経験をアピールすることも重要だと思います。




3. Lisences / Certifications

ここは、自分がもっとやっときゃ良かったと思うパートです。
自分が書いたのは、医師資格、BLS、ACLS、整形外科専門医だけですが、
例えばJATECやAO certificate、緩和ケア講習など、
今から思うと取れるものは取っておくべきだったかな、と思っています。

ただ、日本整形外科学会専門医の〇〇医は維持にコストがかかるので、
悩みどころではあります。。。笑 




4. Honors / Awards

これですね、 ここが埋められるようになると、カッコいいと思います。
私は、同門の脊椎研究会で頂いた奨励賞と、
ヨーロッパのとある基礎学会で頂いたyoung investigator awardを書きましたが、
もっと書きたいところです。

そして、ここだけは努力以外の要素(特に、運!)が大きく左右してきます。

ですので、例えば学会でのアワード募集などがあれば
積極的に参加するように意識するようになりました。

ちょうど今、この秋〜来春の学会の演題募集が始まっています
が、award狙いで今回は2つ出してみることにしました。

あとは神のみぞ知る、で、発表するからには万全の準備をして臨みたいと思います。




長くなりましたので、続きは次回に。
 

↑このページのトップヘ