一人前の脊椎外科医を目指して

医師10年目の整形外科医が、一人前の整形外科医・脊椎外科医を目指すブログです。研究留学・論文・資産形成・備忘録などを載せていきたいと思います。 現在、米国のspine centerに臨床研究目的で留学中です。

カテゴリ: 雑感

更新がご無沙汰になっています。すみません。

留学についての話は書き溜めていますのでおいおい書いていくとして、今回は

いわゆる「自炊」についての記事になります。 

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自炊といっても、もちろん自分でご飯を作るという話ではなく、書類や書籍をデジタルデータとして変換し保存することを指します。


つい数年前までは、自炊しようと思うと 本を接着部で裁断する必要がありましたが、最近では「裁断せずに」デジタルデータ化することができるようになったようです。


その代表機種が、この ScanSnap SV 600になります。







他にも、同様のスキャナーが販売されているようです。



このスキャナーのメリットは、なんと言っても
 本を裁断せずにデジタルデータ化できる
ということです。


通常、本を上からスキャンすると本のページが歪んでしまいますが、その補正機能がソフトに含まれていることから、 その歪みを補正してくれることで最小限に抑えることが可能になっています。


ただ、これ結構高いのがデメリットで、2019/6/13時点でのAmazonの本体価格は 49,200円となっています。また、使用した感想を後述しますが、付属品としてアクリル板のブックプレッサーが必須アイテムです。


これで本を抑え込んで取らないと、ページが動いてしまったりする場合があるためです。

 
この両方を購入すると約65,000円で非常に高価な買い物になることから、私はレンタルして使ってみる事としました。



「ScanSnap SV600 レンタル」で検索すると色々なサイトが出てくるので、その中からレンタルショップを選んで今回レンタルして使用してみました。
(特に、ブックプレッサーを一緒にレンタルできるところが良いと思います)




まず、スキャンしたページがどんな風になるのか、(おそらく著作権が関係ないページで)(雑誌の宣伝も兼ねて)一例を示してみたいと思います。  

頚髄症のUp-to-date_BJN_pdf_pdf_pdf(2___131ページ)
(Bone Joint Nerve Vol.8 No.1 2018より)
Bone Joint Nerve編集委員
アークメディア
2018-01-01




結構キレイに補正されてるのではないかなと思います。
また、本の中の絵や写真のあるページも一例として示してみます。 

 脊椎手術と合併症_回避の技とトラブルシューティング
(OS NEXUS 14 脊椎手術と合併症 トラベルシューティングより)
 





周辺の歪みはどうしても取り切れない部分もありますが、イラストもキレイだと思います。


ですので、個人が教科書や雑誌などをデジタルデータとして所有する上では、この解像度は全く問題ないのではないかと感じました。




ただ、当然ながらデメリットも存在します。


1) 1ページずつ、手作業でスキャンしなければならない。

毎回毎回、ブックプレッサーで抑えつつ、本の上からスキャンしなければなりません。慣れてくると早くなりますが、それでも200ページの本を1冊スキャンするのに15-20分はかかってしまいます。時間がかかるのはそれだけではありません。


2) ちゃんと本の輪郭がソフトウェアに認識されているかチェックする必要がある。

これが最もめんどくさい作業でした。ソフトウェアで自動認識してくれるようになっていますが、大体はうまくいきません。本の輪郭があっていないと、その通りに補正されませんので、歪んだままになったり、自分の手が写り込んだりします。
そして、各ページの端に色がついていたり(特に黒色)、本のサイズが小さかったりすると、全然認識できていない事が多く、手作業でこれも1ページずつ認識させる必要が出てきます。
これに要する時間は本によりますが、ほぼ全てのページをやり直す必要がある本の場合、スキャンする時間以上の時間がかかりました。



ということで以上をまとめると、裁断せずに本をデジタルデータ化する場合、

本を裁断せずにできるのが最大のメリットですが、時間がかなりかかる。

という当たり前の結論になります。笑


ですので、もし時間のある方でどうしても本を本として置いておきたい方は、ぜひ一度試してみては如何でしょうか。
特にレンタルであれば、業者によりますが月に数千円で借りることができますし、おすすめだと思います。



ちなみに私ですが、渡米にあたり できるだけデジタルデータ化したかったので、教科書や雑誌など、寝る間を惜しんで150冊近くこれでスキャンしました…(どんだけヒマやねん、というツッコミはナシでお願いします) 


またしても、かなり間が空いてしまい申し訳ありません。

かなり忙しくしておりまして、 なかなか落ち着く間もなさそうです。


少し近況についてまとめてみたいと思います。




1. 学位取得

2月に無事に学位審査が主査の教授陣にボコボコにされることなく修了し、めでたく3月末に学位を取得しました。これで大学院に思い残すことはほとんどありませんので、留学に集中できる環境になりました。


※ほとんど、と書いてありますが、これは論文で扱った生体材料について、製作サイドと大学の方で製品化 (臨床応用)に向けて進めており、そのデータまとめなどがまだ残っている為です。


まあ、何はともあれ学位を取れたので、大学院に入っての最低限の仕事は終わりました。。。



2. 留学準備

これが結構大変でして、具体的に何が大変かと言いますと、


a) 相手の事務とのやり取り (本当に仕事が遅いし、担当者の引継ぎなどもかなりいい加減)

b) 書類が多い (留学先への提出書類をはじめ、国内での諸手続きなど)

c) 国内の引越し準備


に尽きます。特にa)は僕の力では何ともならない事が多いですので、ビザ申請用書類 (DS-2019)がもらえるまでは本当に油断なりません。

この辺りの話は現在進行中なので、また落ち着いたところでブログに書こうと思っています。



3. 語学資格 (IELTS)

留学前に、きっちり成績を残したいという気持ちが強く、今年に入ってまたブーストをかけて勉強しています。特に、留学後の進路として、IELTSの点数があれば大きな武器になることは確かだと思いますので、向こうに行くまでにhigh scoreを取ろうとしています。


なお、現時点での私の成績ですが、、、(そんな大した成績じゃないので書くのが非常に恥ずかしいのですが) 


Listening : 7.0

Reading : 8.0

Writing : 6.5

Speaking : 6.0

Overall : 7.0


という状況です。何とかoverallは7.0にのっていますが、WとSが弱点で7.0を切ってしまっているので、渡米前にeach section 7.0にのせるのが目標です (ついでにoverallも7.5にのせるのが目標)。




4. その他

幸運なことに、大学院を修了する直前に、臨床の論文が脊椎系のとある雑誌にアクセプトされました。

私が大学院に在籍した4年間でアクセプトされた論文は、全部で4本になりました。

本当はもう少し書きたかったですが、上出来だろうと思っています。





また間を見つけてチョコチョコと更新したいと思いますので、宜しくお願いします。

 

皆さま、明けましておめでとうございます!

本年も当ブログを何卒宜しくお願い致します。


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昨年はなかなかブログの更新もできず、申し訳ありません。 


大学院もあと3ヶ月で修了なのですが、

先日ブログでもお伝えしたような学位審査への準備や、留学準備

などで慌ただしく過ごしております。

(学位審査の届け出は間に合いました ^^)


ちなみに、例のごとく当直しながらブログ書いてます。笑

年始から48時間ほどぶっ通しで当直をしておりますが、

私にとって今年は何と言っても

「臨床研究留学」 

という最大の目標がありますので、

それに向けて種銭を稼いでおります。。。


 
なお、今年は自分にとっても医師10年目の節目に当たります。


医学部を卒業し、研修医になった際に

お世話になった指導医からは、

5年後の医師としてどうなりたいかを考えて行動しなさい」

と事あるごとに言われていました。


研修医になったときには あまりその意味が分かっていなかったのですが、

卒後5年目ごろから徐々に意識するようになっていました。

(過去ブログ :大学院ってどうなの?(1))


卒後5年目に, 10年目には学位取得と留学(脊椎外科として)を考えていたので

その目標はある程度叶うのかな、と考えています。


ただ、留学は 行く記念だけでは全く意味がない、ただの道楽だと

思っていますので、

英語の壁・人種の壁を乗り越えて、多くの方にとって役立つ業績を

残してきたいと思います。


そして、自分の5年後の理想像についても、今後考えていきます。






あらためて、今年の目標は


① 学位取得
② 留学先での奮闘
③ 筋力維持・健康増進
④ ブログの充実


この4点をがんばります!

どれも漠然としていますが、それぞれ具体的な目標は考えています。笑 



改めて、本年も当ブログを宜しくお願いいたします。


 


急に冬らしい寒さがやってきていますね。



毎年そうですが、年末は行事も実験も多く、いつも

何かに終われながら過ごす事が多い気がします。


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そして、今年もまた同様の展開に・・・



ちなみに私は現在大学院4年目になりますので、 3月で修了となります。


一般に大学院は「卒業」とは言わず、

在学中に学位論文の審査に合格して初めて

「学位取得」
となり、いわゆる「卒業」に該当します。




もし今年度までに学位取得が出来ない、つまり

学位論文が提出できない場合や学位審査に合格できない場合、

「(課程修了)満期退学」となります。

 
(※もちろん大学院を修了した後も、大学院が定める一定期間

(当大学では3年)以内に学位論文を提出し、学位審査に合格

した場合には、博士号を取得することが出来ます)




私の場合は6月から渡米が控えていますので、出来れば

大学院在籍中に学位審査を受けたいところです。


そして、その肝心要の「学位論文」をジャーナルに投稿したのが

今年の7月末で、論文の修正 (リバイズ)の期間や学位審査の今年度の

締切などを考えると、本当にギリギリのタイミングでした。

(しかも、調子に乗ってインパクトファクターの少し高い所に出してしまいました)



…正直、内心は在籍中の学位は難しいんじゃないかと思って

諦めかけていました .



しかし、論文の修正・投稿を根気強く、そして出来るだけ早く行った結果、

なんと3日前にアクセプトされました (^^) 



そして、学位審査の今年度の締切り (つまり、3月末での学位取得可能期限)が

来週月曜日!!!まさにギリギリ!



ということで、アクセプトを喜ぶ間もなく、学位審査に応募するための

書類作成、ならびに指導医・共著者の先生方や教授の署名集めに奔走中です。



書類作成、本当に面倒で時間のかかる作業なのですが、せっかくここまで

来ましたので、今年度中の取得を目指して、とにかくやるだけです!




・・・やはり今年も、仕事に終われながら過ごす年末になりそうですね。



 

以前、外勤先に向かう通勤電車の中で、多くの中高生が

バックパックのベルトを緩めて持っており、それを見て

"腰を痛めそうだな・・・"と内心で思っておりました。

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そこで 今回は、バックパックはやはり腰に悪影響を及ぼすのか

について、文献的に調べてみました。






1. 小児における腰痛とバックパックとの関連


小学生から中学生 (具体的には11から14歳)における腰痛の発生率は,

およそ3割前後と言われているようです。(Watson KD, et al. Pain 2002.)



児童の腰痛のリスクとしては、過去の報告だと、

女児・健康状態の悪化・身体活動レベルが高いこと・

座る時間が長いこと・腰痛の家族歴

そして、バックパック が挙げられています。(Mackenzie WG, et al. CORR 2003)


子どものバックパックの重さは、自分の体重を基準にして考えると

アメリカでは92%以上の児童が10〜22%の重さのバックパックを持っており、

腰痛のある児童のうち82%はバックパックを使っていた!

という報告もあるようです。(Sheir-Neiss GI, et al. Spine 2003)



Neushwander らは, 立位で撮影できるMRIを使用して、特に腰痛のない

11-14歳の子どもたちを集め、撮影したところ、

バックパックの負荷(重さ)と、痛みの強さが相関関係にあったこと、

そして、その痛みの原因は、

腰椎椎間板が負荷により高さが減弱し 、

負荷により非対称性に椎間板に負荷がかかること

によると報告しています。(Neuschwander TB, et al. Spine 2010.)



さらにShymonらは、その正常データと特発性腰痛 (明らかな器質的原因の

ない腰痛) をもつ子どもたちとで立位MRIで比較したところ、

腰痛を有する子どもたちではL5/S1椎間板にのみ圧縮力がかかっていましたが、

正常の子どもたちよりも椎間板に対する圧縮力は少ない分、

腰椎前弯が失われ


バックパック負荷増大による痛みがより強くなる傾向があったということです。 
(Shymon SJ, et al. Spine 2014.)


痛みを有する子どもたちでは、バックパック負荷に対して椎間板への負荷を避ける

ために、腰椎前弯を減弱させることなどで対応している
と考察しています。 




やはり、小児におけるバックパックは腰痛への負荷は避けられないようです。



最近では、小学校などの"置き勉"なども問題になっていましたが、

できるだけ小児に対してはバックパックの負荷を減らすのが重要かも知れません。





 2. 成人におけるバックパックと腰痛の関連
 
ここまでは、小児について文献的に見ていきましたが、

では成人ではどうなのでしょうか?


上記でご紹介したShymonらは、成人でも立位MRIを撮影し、

バックパック負荷による影響を調査しています。(Shymon SJ, et al. Eur Spine J. 2014.)


この論文によると、 6人の成人ボランティア (平均年齢 45歳)が体重の10%に

あたる重量の バックパックを着用した上でMRIを撮影しています。


その結果、バックパック着用により、仰向けと比較して、

L4/5とL5/Sの中央部の椎間高が有意に減弱し、

L5/S1 椎間板では前方の高さも減弱していましたが、

腰部の長さや腰椎前弯は仰向け時と比較しても有意差はなかった

という結果でした。


面白いのは、バックパックでは特に椎間板前方の圧縮が出てくるという点と、

(やはり)下位腰椎部での椎間板レベルに負荷は最もかかりやすいという点

かなと思いました。



 
さらに、この結果をFEA (有限要素解析)を用いて研究しているstudyもあります。
(Hansraj KK, et al. Surg Technol Int. 2018.)


これによると、成人男性のデータを用いてシミュレーションstudyを行ったところ、

追加重量として 0.45〜45.36 kg (1〜100ポンド)をかけていますが、

脊椎にかかる荷重は、その重量の7.2倍にもなっており、

骨盤を20度前傾させて腰椎を前方に引き出したようなシミュレーションでは

その荷重は、重量の11.6倍に上昇したということです。 




いかにバックパックの荷重が腰椎負荷を上げてしまうかが分かるかと思います。


ただ、成人では筋力や椎間板の耐荷重も小児よりは大きいと考えられる為、

腰椎前弯はバックパック負荷でもほとんど変わらない点は初めて知りました。





 

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