最近では、海外留学 (臨床留学・研究留学) を考えるドクターは少なくなっていると
聞いていますが、そこにCOVID-19の影響も相まってさらにその数は少ないと思います。
今までの安定した生活を崩し、海外で生活を送るということは本当に労力が必要で、
当然ながら金銭的にも苦しくなることが予想され、そこまで苦労して行うべきことなのか
と考えるのも無理はありません。
今回は、実際に1年強の間、家族と渡米して臨床研究のために留学を行った私から見た
海外生活で得られたものについて考えてみたいと思います。
1. 海外生活を送ることで失うもの
「失う」というと大げさかもしれませんが、実際には金銭的なことが大きいでしょう。
ビザの申請から始まり、渡航費や住居費、家族で移り住んだ場合には子供の養育費など
日本で安定して(医師として)生活を送ることから考えると、
もしかすると1000万から2000万円ほどの差異があるかもしれません。
さらに、もし日本に帰ってくることを最初から想定するのであれば、医局人事などでの
いわゆる「奉公」などで、帰国後はどこに赴任するかわからず、これまで安定していた
職場の変更も大きなストレスの要因になりうります。
子どもが就学時の場合、教育面の問題 (日本語の遅れや転校の問題)もあります。
こうして考えると、失うものは確かに大きく、留学を自己投資と考えた場合、
そこまでの自己投資が本当に必要なのかを考えることは必須です。
では、そこまでの犠牲を払って海外生活を送ることで得られるものとは何なのでしょうか?
2. 海外生活を経て得られたもの
予め述べておきますが、ここからは、大いに個人的な意見が入ります。。。
実際の経験から、得られたものを大きく2つに分けて考えたいと思います。
A. 生き抜く力
こう書くとかなり大げさかもしれないですが、ある意味サバイバルのような要因です。
現地に生活してからの生活環境のセッティング、家賃交渉や銀行口座の開設、子どもの
学校を決めたりなど、生き抜くために止まっていられません。
自分で局面を打開しなければならず、ましてや日本語以外の言語で行わねばなりません。
確かにストレスではありますが、今思うと、あれだけあの時必死だったということで、
日本に帰国してからは、ちょっとやそっとでは凹まないメンタルを保てるようになりました。
ただ、当然ですが1人で生活しているわけではありません。
家族・友人や見ず知らずの人まで、その過程で多くの人の助けを借りながら乗り越えて
いけました。そういった人々への感謝の気持ちは今でも持ち続けています。
B. コミュニケーション能力
今風に言うと、コミュ力というやつでしょうか?
現地で多くの人 (特に日本人以外)と接していると、
「何も話さないことは、何も考えていない」
というような感覚に出会うことがありました。
話を自分からしていかないとアピールにつながらない、そして職場ではボスにどんどん
アピールをすることで仕事を得ることにつながることになり、
日本での生活とは大きくスタンスが異なるように感じました。
そういった環境に身を置くことで、自分の中での後悔が少なくなったように感じています。
3. 最後に
実は医学的なこと (向こうで学んできたことや研究成果について)は、
もちろん向こうでしか得られなかったことはありますが、
こと脊椎分野について考えると、日本のレベルは非常に高いと感じていましたので、
海外じゃないとダメ!というものはほとんどないように感じました。
活かすも殺すも、自分次第だなと。
自分にとっては、この留学には決して後悔はありませんし、
多くの犠牲を払ってでもできてよかったなと思っています。
ただ、留学を過去の思い出話に終わらせてしまうことはダメで、
自分の今後に活かすことが何よりも大事なことだと考えています。
聞いていますが、そこにCOVID-19の影響も相まってさらにその数は少ないと思います。
今までの安定した生活を崩し、海外で生活を送るということは本当に労力が必要で、
当然ながら金銭的にも苦しくなることが予想され、そこまで苦労して行うべきことなのか
と考えるのも無理はありません。
今回は、実際に1年強の間、家族と渡米して臨床研究のために留学を行った私から見た
海外生活で得られたものについて考えてみたいと思います。
1. 海外生活を送ることで失うもの
「失う」というと大げさかもしれませんが、実際には金銭的なことが大きいでしょう。
ビザの申請から始まり、渡航費や住居費、家族で移り住んだ場合には子供の養育費など
日本で安定して(医師として)生活を送ることから考えると、
もしかすると1000万から2000万円ほどの差異があるかもしれません。
さらに、もし日本に帰ってくることを最初から想定するのであれば、医局人事などでの
いわゆる「奉公」などで、帰国後はどこに赴任するかわからず、これまで安定していた
職場の変更も大きなストレスの要因になりうります。
子どもが就学時の場合、教育面の問題 (日本語の遅れや転校の問題)もあります。
こうして考えると、失うものは確かに大きく、留学を自己投資と考えた場合、
そこまでの自己投資が本当に必要なのかを考えることは必須です。
では、そこまでの犠牲を払って海外生活を送ることで得られるものとは何なのでしょうか?
2. 海外生活を経て得られたもの
予め述べておきますが、ここからは、大いに個人的な意見が入ります。。。
実際の経験から、得られたものを大きく2つに分けて考えたいと思います。
A. 生き抜く力
こう書くとかなり大げさかもしれないですが、ある意味サバイバルのような要因です。
現地に生活してからの生活環境のセッティング、家賃交渉や銀行口座の開設、子どもの
学校を決めたりなど、生き抜くために止まっていられません。
自分で局面を打開しなければならず、ましてや日本語以外の言語で行わねばなりません。
確かにストレスではありますが、今思うと、あれだけあの時必死だったということで、
日本に帰国してからは、ちょっとやそっとでは凹まないメンタルを保てるようになりました。
ただ、当然ですが1人で生活しているわけではありません。
家族・友人や見ず知らずの人まで、その過程で多くの人の助けを借りながら乗り越えて
いけました。そういった人々への感謝の気持ちは今でも持ち続けています。
B. コミュニケーション能力
今風に言うと、コミュ力というやつでしょうか?
現地で多くの人 (特に日本人以外)と接していると、
「何も話さないことは、何も考えていない」
というような感覚に出会うことがありました。
話を自分からしていかないとアピールにつながらない、そして職場ではボスにどんどん
アピールをすることで仕事を得ることにつながることになり、
日本での生活とは大きくスタンスが異なるように感じました。
そういった環境に身を置くことで、自分の中での後悔が少なくなったように感じています。
3. 最後に
実は医学的なこと (向こうで学んできたことや研究成果について)は、
もちろん向こうでしか得られなかったことはありますが、
こと脊椎分野について考えると、日本のレベルは非常に高いと感じていましたので、
海外じゃないとダメ!というものはほとんどないように感じました。
活かすも殺すも、自分次第だなと。
自分にとっては、この留学には決して後悔はありませんし、
多くの犠牲を払ってでもできてよかったなと思っています。
ただ、留学を過去の思い出話に終わらせてしまうことはダメで、
自分の今後に活かすことが何よりも大事なことだと考えています。