前回記事の続きになります。
前回の記事では、英語の学習には
「目的意識をしっかりもつ」
ことが重要であることを書きました。
漠然と英語の勉強を開始する (例えば、本屋にあるような英会話の本やラジオ英会話の教材などを闇雲に始める) ことは得策ではありません。
始めようと思い立った時や、本を購入した時などはモチベーションが最も高い時ですので、それはいいのですが、そのモチベーションがずっと長続きすることは まず ありえません。
自分の目的に合わせた、焦点を絞った学習が必須です。
そこで、次のロールモデルを考え、必要な英語の学習方法について考えてみたいと思います。
「 医師5年目の整形外科医。一度は英語論文を書いてみたいと考えている。また、留学も将来的には視野に入れたい。」
前回も書きましたが、これは4年前 (大学院入学前) の私になります。
この時、私は英語の学習を開始するに当たって、以下の事を考えました。
① 英語論文の執筆: 整形外科分野の英単語知識 + 論文を書くための英語
② 留学:英語資格の取得 → TOEFL や IELTS に向けた英語学習
これについて、1つずつ考えていきたいと思います。
① 英語論文の執筆
英語論文を書こうと思うと、当然ですがpublishされている英語論文をちゃんと読んで理解できる力が必要です。特に、 論文の最初のパートである introduction では、
「これまでの研究や論文で明らかになっていること」そして、「未だ明らかになっていないこと」を簡潔にまとめた上で、研究の目的がそれに沿ったものであるかどうかを記載します。
この時点で 、過去の論文をきっちり理解することが当然ながら必要です。
英語論文の文献のまとめ方については、今後別の記事で書こうと思っていますが、今回は、論文を「書く」ことを意識した論文の「読み方」について まとめてみます。
英語論文を書いていてまず思うことは、英語論文は「英借文」である、ということです。
過去の論文から全てを引用してしまうと剽窃 (plagiarism) になってしまいますが、英文の構文や言い回しなどは、非ネイティブの僕たちには理解しづらいものなので、使えるところは利用させてもらおう、という意味です。
また、単語そのものも、当然ながら専門用語が多く飛び交いますので、それらを知っておかないと論文を読めないし、書けません。
そして、当然ながら過去の論文の正確な理解と、それをできるだけ短時間で出来る能力が必要です。
以上から、僕が英語論文の執筆の為に必要な英語学習として立てた戦略は、
A. 英借文 (Writing)
B. 専門用語の英単語 (Writing)
C. 過去の論文の正確 かつ 短時間での読解 (Reading)
になります。
A. 英借文 (Writing)
まず本文の4つのsection (introduction, materials and method, results, discussion) ごとに分けて、そこで使われている表現をWordファイルや手書きのノートに書き出すようにしました。
例えば、 intdoductionでの表現で、自分の研究の目的を示す構文として、
" In the present study, we aimed to elucidate …(研究内容)."
みたいな形で、 自分が使えそうだと感じる「カッコいい」表現を書き出しました。
以前に紹介した英語論文で参考になる書籍でも例文が多く載っているのですが、それをアレンジする形で加えていきました。
B. 専門用語の英単語 (Writing)
これも同様に、 Wordファイルや手書きのノートに書き出す形式を取りました。
ただ、これで僕が注意していたのは、単なる単語だけではなくて、その定義や分類なども余裕があれば書き出していました。
例えば、脊椎の矢状面バランスの論文には
"Pelvic incidence (PI)" "Sacral slope (SS)" "Pelvic tilt (PT)" "Sagittal vertical axis (SVA)" "Thoracic pelvic angle (TPA)"
などなど多くの専門用語や略語 が飛び交うのですが、その単語の定義がどの論文に載っていて、もし記載するならどの論文から引用してくるといいかどうか
についてもメモしていくようにしました。後々自分が論文を書く時に便利だと考えたからです。
C. 過去の論文の正確 かつ 短時間での読解 (Reading)
これが最も難しいところですね。
僕はまずは短時間で読解できることを目標に、論文を読む練習をしました。
まず、特に時間のない時は、abstract だけを読んで論文の概略を理解し、それが自分の必要とする論文かどうかを判断します。
この時点で5割ぐらいはその論文の理解が出来る印象です。
次に、introductionの最後のパラグラフ, resultsのfigureとtableがついている部分, discussionの各パラグラフの1行目, conclusion を読んで理解できれば (良い論文は)7-8割ぐらいは理解できていることがわかりました。
もちろん論文を書く際には materials and method の部分が重要で、統計の知識ももちろん大事なのですが、まずは理解を追いつかせるということで、この部分をサッと読んで理解できるようにしました。
ちなみに、僕の場合 論文にアンダーラインはあまり引かず、上記の使えそうな文章や単語だけチェックを入れていました。
まずは A, B,Cのこの3つのタスクを行えば, 論文に関する英語力はそこそこ良くなると思います。
実際に 私は卒後5年目の際に、この方法を実践して、論文をだいぶ早く正確に理解できるようになりました。
もし良ければ実践してみて下さい (^^)
②の留学のための英語学習については、次回の記事にまとめます!
前回の記事では、英語の学習には
「目的意識をしっかりもつ」
ことが重要であることを書きました。
漠然と英語の勉強を開始する (例えば、本屋にあるような英会話の本やラジオ英会話の教材などを闇雲に始める) ことは得策ではありません。
始めようと思い立った時や、本を購入した時などはモチベーションが最も高い時ですので、それはいいのですが、そのモチベーションがずっと長続きすることは まず ありえません。
自分の目的に合わせた、焦点を絞った学習が必須です。
そこで、次のロールモデルを考え、必要な英語の学習方法について考えてみたいと思います。
「 医師5年目の整形外科医。一度は英語論文を書いてみたいと考えている。また、留学も将来的には視野に入れたい。」
前回も書きましたが、これは4年前 (大学院入学前) の私になります。
この時、私は英語の学習を開始するに当たって、以下の事を考えました。
① 英語論文の執筆: 整形外科分野の英単語知識 + 論文を書くための英語
② 留学:英語資格の取得 → TOEFL や IELTS に向けた英語学習
これについて、1つずつ考えていきたいと思います。
① 英語論文の執筆
英語論文を書こうと思うと、当然ですがpublishされている英語論文をちゃんと読んで理解できる力が必要です。特に、 論文の最初のパートである introduction では、
「これまでの研究や論文で明らかになっていること」そして、「未だ明らかになっていないこと」を簡潔にまとめた上で、研究の目的がそれに沿ったものであるかどうかを記載します。
この時点で 、過去の論文をきっちり理解することが当然ながら必要です。
英語論文の文献のまとめ方については、今後別の記事で書こうと思っていますが、今回は、論文を「書く」ことを意識した論文の「読み方」について まとめてみます。
英語論文を書いていてまず思うことは、英語論文は「英借文」である、ということです。
過去の論文から全てを引用してしまうと剽窃 (plagiarism) になってしまいますが、英文の構文や言い回しなどは、非ネイティブの僕たちには理解しづらいものなので、使えるところは利用させてもらおう、という意味です。
また、単語そのものも、当然ながら専門用語が多く飛び交いますので、それらを知っておかないと論文を読めないし、書けません。
そして、当然ながら過去の論文の正確な理解と、それをできるだけ短時間で出来る能力が必要です。
以上から、僕が英語論文の執筆の為に必要な英語学習として立てた戦略は、
A. 英借文 (Writing)
B. 専門用語の英単語 (Writing)
C. 過去の論文の正確 かつ 短時間での読解 (Reading)
になります。
A. 英借文 (Writing)
まず本文の4つのsection (introduction, materials and method, results, discussion) ごとに分けて、そこで使われている表現をWordファイルや手書きのノートに書き出すようにしました。
例えば、 intdoductionでの表現で、自分の研究の目的を示す構文として、
" In the present study, we aimed to elucidate …(研究内容)."
みたいな形で、 自分が使えそうだと感じる「カッコいい」表現を書き出しました。
以前に紹介した英語論文で参考になる書籍でも例文が多く載っているのですが、それをアレンジする形で加えていきました。
B. 専門用語の英単語 (Writing)
これも同様に、 Wordファイルや手書きのノートに書き出す形式を取りました。
ただ、これで僕が注意していたのは、単なる単語だけではなくて、その定義や分類なども余裕があれば書き出していました。
例えば、脊椎の矢状面バランスの論文には
"Pelvic incidence (PI)" "Sacral slope (SS)" "Pelvic tilt (PT)" "Sagittal vertical axis (SVA)" "Thoracic pelvic angle (TPA)"
などなど多くの専門用語や略語 が飛び交うのですが、その単語の定義がどの論文に載っていて、もし記載するならどの論文から引用してくるといいかどうか
についてもメモしていくようにしました。後々自分が論文を書く時に便利だと考えたからです。
C. 過去の論文の正確 かつ 短時間での読解 (Reading)
これが最も難しいところですね。
僕はまずは短時間で読解できることを目標に、論文を読む練習をしました。
まず、特に時間のない時は、abstract だけを読んで論文の概略を理解し、それが自分の必要とする論文かどうかを判断します。
この時点で5割ぐらいはその論文の理解が出来る印象です。
次に、introductionの最後のパラグラフ, resultsのfigureとtableがついている部分, discussionの各パラグラフの1行目, conclusion を読んで理解できれば (良い論文は)7-8割ぐらいは理解できていることがわかりました。
もちろん論文を書く際には materials and method の部分が重要で、統計の知識ももちろん大事なのですが、まずは理解を追いつかせるということで、この部分をサッと読んで理解できるようにしました。
ちなみに、僕の場合 論文にアンダーラインはあまり引かず、上記の使えそうな文章や単語だけチェックを入れていました。
まずは A, B,Cのこの3つのタスクを行えば, 論文に関する英語力はそこそこ良くなると思います。
実際に 私は卒後5年目の際に、この方法を実践して、論文をだいぶ早く正確に理解できるようになりました。
もし良ければ実践してみて下さい (^^)
②の留学のための英語学習については、次回の記事にまとめます!