前回記事の続きで、


「大学院での研究と育児は両立できるか?!」


について考えていきたいと思います。

前回の記事を簡単にまとめますと、
大学院1年生の秋に子どもを授かり、
妻の体調が変化するようになり、

少しでも妻の家事の負担を減らす

ことを考えるようになりました。 そこで私の考えたことは、



 1. 研究室でしか出来ないことは研究室で、研究室以外でできることは研究室以外で!

 2. 研究室ですることは、事前に計画を立てた上で、集中して行う!

 3. 家に帰れば頭を切り替えて、家事に集中

 4. 時間が足りないなら、早朝の時間を活かすべし!

 5. 研究の予定は、できるだけ分散、週1-2日は休養日 (家族サービス日) を作る!




ということでした。今回は、この内容を1つずつ見ていきたいと思います。







1. 研究室でしか出来ないことは研究室で、研究室以外でできることは研究室以外で!


家事 (育児) を行う時間を増やすということは、つまり
研究室に滞在する時間を減らすということになります。

さらに具体的に言いますと、研究室では、
研究室以外で出来ることはしない
ということを考えました。


例えば、研究室でしか出来ないこととは、私の実験で考えると


(基礎研究)
・細胞培養、細胞実験
・動物実験、組織標本作成 、標本観察

(臨床研究)
・ 患者さんのデータ計測 (匿名化処理も含む)


となります。その他の作業、例えば


・ 生データ処理、統計学的解析
・ 論文収集、論文整理、論文作成


この辺りは、研究室に居なくても出来る事になります。

研究室に滞在する時間を減らすには、
極端に言うと、前者の作業しかしない!
ということになります。 



2. 研究室ですることは、事前に計画を立てた上で、集中して行う!

 
1 を踏まえて、研究室でないと出来ない作業を見ていきましたが、
実際に頭で考えると、私の場合、
大学に着いていざやるぞ!となると、何か抜けていたり、
やらなくて良いことを無意識にやってしまったりします。笑 


特に基礎研究では、とにかくすることが多いので、
私は 毎回ノートに書き出して、何を大学院でやるのか、
そして、どこまで大学院で研究を進めるのか、
を計画
しています (実験ノートとは別にノートを作成しています)。


そして、私の経験上、計画は週単位で立てるのが
良いような気がします (これは 5 にもつながるところです)。


滞在時間を減らすため、この計画の立案も
自宅や電車内などの研究室以外 で行うようにしています。


もう一点、計画は無理に詰めすぎないことが大事だと思います。


実際に研究を始めると、慣れてきても
結構手こずることが多いと思います。

僕は大学院4年目ですが、未だに
RT-PCRでマイクロピペットの量を間違えそうになったり、
どこまで入れたかわからなくなったりして失敗することもありますので、
(何回PCRやってきてん、という話ですが。汗)、、

余裕を持った計画を立てることが肝要です。


※ ちなみに私は (バイトなどのdutyがなければ) 18時に帰宅する
ことを目標にして、そこから逆算して計画を立てています。
4 とも関連しますが、どうしても研究が多くなるときは、
朝にずらして5時や6時から研究室に行くことも時々あります。
極力後ろ(夜間)には計画を伸ばさないようにしています。




3. 家に帰れば頭を切り替えて、家事に集中! 

 
計画通りに終われば、気持ちよく家に帰れますが、
失敗したり上手くいかないと、当たり前ですが、
あまり気分良くは帰れません。

仕事でもそうですが、これを家に持ち帰ることは厳禁!です。


何のために家に早く帰るのか?

もちろんその理由は、妻のためであり子どものため、
そしてそれが自分のためにも繋がるからだと言えます。


家に帰ったら、切り替えて家事・育児に集中する。
5 にも繋がりますが、これが最も重要なことだと思います。




4. 時間が足りないなら、早朝の時間を活かすべし!


1.でも書きましたが、研究室では限られたことしかしませんので、
論文の執筆やデータ解析などは他の場所ですることになります。

私が今までの大学院生活で、それらの作業をしてきたのは、


・ 外勤先 (救急待機時間や寝当直での空き時間)
・ 図書館
・ 自宅


主にこれらの場所でしていました。
特に、自宅で行うのは、3.とある意味矛盾しているようにも感じますが、
「早朝勉強」で 家族が寝ている時間を狙って行っていました。

早朝は頭が冴えていて、集中力も高まっていますので、
論文の執筆ペースは夜間にすることと比べると早くなったことを私自身 実感しています。


この早朝勉強の詳しい方法はこちらの記事に 書いていますので、
是非ご参考にしてみて下さい!




5. 研究の予定は、できるだけ分散、週1-2日は休養日 (家族サービス日) を作る!


研究は、一回始めると一気にやりたくなるもの。
つい何日かで詰め込みたくなることが多いです。

どうしても連日しないといけないことがあれば話は別なのですが、
その方法はあまりオススメしません。


例えば週に1-2日は 培地交換のみ とか、標本観察 数スライドのみ、
とかにして1-2時間で早々に終わらせる、という風に
仕事を減らす日を作ったり、数日に分けて予定を立てたりすることで、

自分の疲れを溜め込みすぎない ことが大事だと思います。


私の場合、家族と買い物に行ったり外で食事をしたりすることは、
とても良いストレス解消になっています。

ストレスをきっちり解消しておかないと、
同じパフォーマンスを続けて保つことは難しいのではないでしょうか?


ちなみに私は実験の調整が可能な限り、
木曜日と日曜日を休養日にすることでストレス解消を図っています。
ただ、外勤の当直が入ると厄介で、計画をその都度変更していますが。。。


※ 「子どもの世話をすることで逆にストレスって溜まるよね??」
 って思われる方も多いと思うのですが、 (確かにストレスは溜まるのですが)
 研究のストレスと育児のストレスは種類が全く違うので、
 僕の場合は 育児が逆に良い息抜きになっています。
 この辺りも、切り替えという部分で大事なのかも知れません。




おわりに

私は全く要領の良いほうではありませんので、
この5つのポイントは、大学院で自分なりに日々試行錯誤を続ける中で、
何週もかけて見出してきたものです。

よくよく考えれば当たり前だなと思うことばかりなのですが、
このポイントが守れていないと、
今では研究のリズムも上手く回らないなと感じるようになっています。


この結果、大学院に滞在する時間はかなり減ったと思います
(もちろん研究の成果は残しているつもりですし、論文も執筆しています)。

その分家族との時間を増やす、
さらに育児との両立には成功しているんじゃないかな〜〜?!

と思っています。 




長々と書いてスミマセン、
ここまで読んでいただきましてありがとうございました!

大学院で現在研究されておられる先生がおられましたら、
是非ご参考にしてみて下さい!

また、他にアイデアやご意見等ありましたら、
気軽にtwitterやコメント欄等で教えて頂ければうれしいです。

よろしくおねがいします。