以前の記事に、脊椎に関しての参考書を紹介させていただきましたが、今回は


医学論文 (特に, 英語論文)の執筆


に関して 、私が特に勉強になった、
是非他の先生にもオススメしたい参考書をご紹介したいと思います!

ちなみに、僕の英語論文作成歴 (first authorとして) ですが、
医師9年目で2本の英語論文があり、3本の英語論文を現在投稿中です。

その僕が勉強になった参考書を挙げていきます。







1. 臨床研究立ち上げから英語論文発表まで最速最短で行うための極意


循環器内科がご専門の 原 正彦 先生が執筆された参考書です。
この参考書を特にオススメしたい理由は,


・ 研究したい!論文書きたい!とモチベーションを高めてくれる 
・ クリニカルクエスチョンから論文作成・投稿まで, 若手医師でもそれほどハードルが高くない内容で, 出来そうな気にさせてくれる



が大きな理由です。

世間には多くの医学英語論文の参考書が発売されていて、

私もそれなりに多くの本を読んできましたが、

臨床研究をやりたい!

って思わせてくれる本は、この本が1番だったと思います。


それは、著者の原先生が、
他の本の著者と比べると若手の先生 (医学部平成18年卒とのことです)
であるということ(私よりは医師として先輩ですので恐れ多い表現でスミマセン) と、


比較的若手の先生にも関わらず
業績がスゴイ、
論文を書きまくっている、
そして臨床研究学会などの立ち上げにも参画しておられる

などの点もあるのではないかな、と思いました。


ただし、内容としては入門書といった感じなので、
何本か既に書かれている先生には少々物足りないと感じそうです。








2. 必ずアクセプトされる医学英語論文 完全攻略50の鉄則


東京大学臨床疫学の康永秀生先生の著書になります。
クリニカルクエスチョンの立ち上げから
英語論文の書く際の注意点や心構え、
さらには英語論文の読み方まで言及されている、
まさに指南書です。

この本のオススメしたい理由は


・ 実際の英語構文の書き方まで言及していて、すぐに実践できる内容が多い (平易な英語構文の推奨)。
・ 各パートの鉄則、投稿に関わる情報について、詳細に言及している。
・ Revise後のeditorとのやり取りなどの解説が詳しい。


という点です。
とにかく具体的に書いてある、というところがこの本のスゴイところで、
この著書を横に置いて論文を書くのが良いと思いますし、
自分もそのようにして論文を書きました。

論文は simple is best なんだと気付かされる名著です。









3. 時間がなくても、お金がなくても、英語が苦手でも、論文を書く技術


この著書のコンセプトは、
いかにコスパ良く英語論文を仕上げるか
というところで、そのための方法が惜しみなく記載されています。

Google翻訳の上手な活用方法から、
研究テーマの設定のためのビジネス思考など、
単なる英語論文の粋を超えて、
日常診療などにも役立つ知識が豊富に書かれています。

特にこの本が良かったのは、

・ 著者の実践的な経験談をベースにして書かれてある
・ 分量を抑えていることで、すぐに通読することができる

点でしょうか。上記2冊の本もそうなのですが、
こういった how to 本は分量の多いものが多いのですが、
これらは重要な部分のエッセンスを記載してあるので、
忙しい先生方でもすぐに通読できてしまうところがいいところです!








論文の執筆には統計学的な知識は必須になりますし、
統計学についての勉強も必要にはなりますが、
今回は医学統計に関する参考書は除外して、
「英語論文執筆」に関しての有用な参考書を挙げてみました。


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よろしくおねがいします。