一人前の脊椎外科医を目指して

医師12年目ぐらいの整形外科医が、一人前の整形外科医・脊椎外科医を目指すブログです。研究留学・論文・資産形成・備忘録などを載せていきたいと思います。 現在、米国spine centerへの臨床留学から帰国後、現在は某地方都市で整形外科医として勤務しています。

今回は、少し変わった角度から大学院生活について考えてみようと思います。

それは、

「育児」と「大学院入学」のタイミング

について、です。



以前の記事にも書きましたが、大学院というと、
医局の指示でバイトをしながら、大学で研究もして過ごす
というのが一般的です。


もちろん、医局によってその制約は異なりますが、
(どれだけバイト・外勤・大学病院での業務を行わなければいけないか)
勤務医で働いていることと比べると、どちらかと言えば
自分の時間は確保しやすいのではないか、と思います。


僕個人の経験からまず言いますと、
大学院に入った当時は子どもはいませんでしたが、
大学院2年目に嬉しいことに長男を授かり、
今は2歳のやんちゃな男子に成長しています。

つまり、初めての育児を大学院に入ってから経験している訳ですが、
まず思うことは、


大学院の間に育児を経験できて良かった!


ということです。 


どういうことかと言いますと、

育児は言葉では大変だと聞いていても、
長男が誕生するまではもちろん実感が湧かなかったのですが、
実際に子どもが家に居ると、とにかく大変。


夜中はすぐに目覚めて泣いちゃうし、
ママは最初は数時間おきに授乳しないといけないし、
離乳食を食べだしたら食べだしたで なかなか食べてくれないし、
などなど。

毎日オンコール状態
とは、まさにこのことか、と
夜中に子どもを抱っこしながら思ったこともしばしばです。


もちろん子どもは可愛いし、本当に癒やされるのですが、
思い通りにならないことが多すぎて本当に大変です。

我が家の場合、妻が専業主婦で実家もやや遠方なので、
夫婦で助け合いながらやらないと上手く家事が回らないという状況でした(今も、です)。


そういった中で、大学院である程度計画的に時間が作れて、
緊急手術などで忙殺されなかったのは本当に幸運だったなと思います。


それに、研究やバイトの都合を上手くずらして、
子どものために1泊2日の旅行や、子ども用の娯楽施設に連れて行きやすい

のも大学院で子育てをしてよかったかな、と思う点です。


教授には大きな声で言えませんが、こういったメリットも大学院にはあるんじゃないかなと思います。






まとめ


 「子育て」と「大学院」について考えてみました。


これから子どもを作る予定の先生や、
小さいお子様のおられる先生におかれましては、

もし大学院に入ろうと考えておられるのであれば、
子育ての時間や家族の時間を作るタイミングに合わせて
大学院に入られるのもいいんじゃないでしょうか??
 

突然ですが、私は腰椎椎間板ヘルニアを患っております。


もともと小学校から体育会系の部活をしていて、
その頃は何ともなかったのですが、
大学生になってから時々腰痛が出るようになりました。


毎年西医体の前には合宿をしていたのですが、
4年生の時に合宿中に腰痛と右下肢痛が出現し、
痛みのため立てなくなってしまいました。


その時は1週間ほどで痛みもおさまったので、
西医体にも出場することはできたのですが、
以降痛みにしばしば悩まされるようになりました。



ただ、学生のうちは、痛みさえ引退まで我慢できれば
それで大丈夫だと思っていて、
MRIなどの検査は受けていなかったのですが、
研修医になり、長時間の手術での立位で腰下肢痛が強くなるので、
医師3年目の時にMRIを撮影してみたところ、
L5/S1に立派な椎間板ヘルニアがありました。。。


当時の脊椎グループの上司からは手術を薦められていたのですが、

・ なかなか仕事も忙しく、入院するのもイヤだったということ
・ 麻痺症状はなかったこと

から、保存療法を選択することにしました。
 


湿布の他に、セレ◯ックスやリ◯カなどの内服、
さらには仙骨孔ブロックや神経根ブロックの治療も一通りして、
なんとか今までやり過ごせています😅


もちろん、常に痛みがあるわけではなく、
内服ナシでもスポーツすることも可能なぐらいに良いときもあります。
が、手術での立位が長引いたりすると時々痛みが顔を出してきます。

 

つまり、自分が椎間板ヘルニアの患者になることを経験したのですが、
そこで気付いたことは


・ SLRテストは思っているよりつらい
・ 神経根ブロックで、神経根に針が直接ヒットするとめちゃくちゃ痛い
・ 仙骨孔ブロックは、きっちり仙骨孔に入らないと効かない
・ トリガーポイント注射は、(なぜだかよく分からないけど)効くと下肢痛も良くなる


ということでした。


特に、1番目のSLRテストは、
整形外科の先生方であれば頻繁に行う身体診察だと思いますが、
勢いよく膝伸展位で股関節屈曲させると、
すごい電撃痛が走るので注意が必要だと思います。

本当に泣きそうなぐらい痛いときもありましたので。。。


また、2番目の神経根ブロックも、神経根近くに針が来た場合は、
本当にゆっくり1mmずつでも動かしてあげるほうが、
患者さんにとっては助かります。
飛び上がる程の痛みとはこれか、と実感しましたので笑



参考になるかどうかは分かりませんが、
普段診察する時に頭の片隅に入れてもらえればと思います。




まとめ

椎間板ヘルニアを疑う患者さんの診察を行う際には、


・ SLRテストは愛護的にゆっくり (Bragardテストも痛いときは泣きそうになります)
・ 神経根ブロックは、神経根近くは特にゆっくりと針をすすめる
・ ときにはトリガーポイント注射も有効


を考えていただければと思います!
 

今回は、脊椎外科を専攻すると決めてまだ間もない私が、
勉強しておすすめだった書籍(参考書)を紹介します。

若い先生方は、ぜひ参考にしてみてください!
では、早速行きましょう。







1.  脊椎脊髄病学

脊椎外科の分野で第一線でご活躍されている、
大阪労災病院の岩崎先生が書かれた本です。

脊椎疾患の診断法、検査法から治療法に至るまで、
多くの文献を参照されながら非常にわかりやすくまとめられている本で、
これから脊椎疾患について勉強される先生方は必読の書だと思います。

ちなみに私は卒後3年目の時に第1版を購入して、
半年ぐらいかけて読破したのですが、
2年前に第2版が発売されており、
そちらも購入して知識のアップデートに努めました。

何度見ても気付きも多く、またその文献に当たることもできますので、
非常にお薦めです。

また、参考書として調べる際に使うことも可能だと思います。



脊椎脊髄病学 第2版
岩崎 幹季
金原出版
2016-09-28

 



2. 整形外科医のための神経学図説

脊椎外科分野では、神経高位を理解することが
当然ながら非常に重要になります。

どの筋力・どの知覚・どの反射が どの高位を調べているのか、
これが頭に入っていないと、その患者さんの痛み・しびれの原因を理解することは困難だと思います。

その障害レベルをわかりやすく、かつ体系的に理解するのにこの本はもってこいです。

もともとはHoppenfeldの原著があるのですが、
日本語訳が充実しており、必読だと思います。

私はこれを読みつつ、絵を書きながら障害レベルを覚えていきました。





 




3. 脊椎手術解剖アトラス

福島県立医科大学の菊池先生が書かれた本です。
菊池先生が解剖学で集められた知識・アトラスを余すことなく書かれており、
その美しさと分かりやすさに読んでいてむしろ感動すら覚えます。笑

手術を行う上で、当然ながら解剖を正確に熟知していることは必須だと思います。
ただ、意外と脊椎の解剖アトラスを詳細に記載してある本は、上肢や下肢と比べると多くありません。

特に手術アプローチ:前方、側方は、これからの脊椎手術では多くなると思いますし、
他臓器との位置関係や解剖を知っておくことが必要です。

その需要にもこの書籍は応えており、解剖が大好きな私は、
この本を眺めているだけで時間が過ぎてしまいます。笑

ちなみに、脊椎のキャダバートレーニングの際にもこの本が大活躍でした!



脊椎手術解剖アトラス
菊地 臣一
医学書院
2017-05-10
 

 



4. 脊椎脊髄の手術

整形外科・脊椎外科といえば、やはり手術ですので、
その手術用の参考書です。

脊椎脊髄ジャーナル」雑誌で連載されている、
「イラストレイテッド・サージェリー」をまとめられた本になります。

この本の特徴は、
とにかく絵がキレイ!!!!!
これに尽きます。笑

また、展開以外にも手術体位・術後管理・後療法などについても言及されており、
私達の知りたいところに手が届くような本になっています。

それに、術式の記載も多岐に渡っているので、
それもすべて込みで24,000円であれば (もちろん高価ではありますが)
その価値は十二分にあると思います。






 

5. Critical thinking 脊椎外科

こちらも世界的に第一線でご活躍されている
三井記念病院の星地亜都司先生がご執筆された本です。

日常診療での疑問や、落とし穴 (神経内科疾患との鑑別など)について、
わかりやすく、面白く書いておられていて、とても勉強になる本です。
上に挙げた本と比べると、参考書と言うよりも、
どちらかと言えば読み物で、面白くて気がつけば読み終わっているような本です。



Critical thinking脊椎外科
星地 亜都司
三輪書店
2008-03-01





6. Rothman-Simeone and Herkowitz's The Spine

最後は英文の参考書を挙げておきます。
Spineの参考書で、おそらく最も世界的に有名な参考書が、
このRothman-Simeone The Spineだと思います。
診断、治療からバイオメカニクスなどの基礎領域まで、
とにかく詳細に脊椎分野について網羅してある本で、
ボリュームもありますが、読んでいて飽きません。

さすがに通読は私もできていませんが、
何か問題点に当たった際にはこの本から調べています。

また、ExpertConsultを経由して
ネットから電子書籍として読むことも可能ですので、
(スマートフォンのアプリからも読めます)

手術動画などもネットから閲覧することが可能で、
常に持ち運びをする必要もなく便利です。

ちなみに、リンク先のThe Spineは第7版で、
昨年出版されたものでして、私が持っているのは第6版ですので、
updateするか迷っております。値段は張りますが、その価値は十分にある本です。




 


 

以上になります。
この他にも、また面白い本・勉強になった本があれば
適宜記事にしたいと思います。

よろしくおねがいします。
 


 

前回記事の続きになります。



5. Research experience

このパートは、自分の研究内容を主に記載しますので、
ある程度の概要を書くことになりますが、
前出のawardなどを取った研究や、
科研費・奨学金などを取得した研究については、
そのこともアピールしておく方が良いと思います。

また、他学部や企業などとのコラボレーションをした研究についても、
その旨を入れておく方が良いでしょう。

そうすると、他職種との協調性や職務を円滑にできること
アピールできますし。

それと同様に、例えば多施設研究で自分が論文執筆などで
主に関わったりした場合も、良いアピールチャンスだと思います!

多施設研究はこれから多くなってくると思いますし、
そこでkey personとしてまとめ上げていれば、きっと高評価でしょう。




6. Publications

ここは、特に小細工なしで書くしかないパートだと思います。

一般的な評価は
「英語論文(impact factorあり)>英語論文(impact factorなし)>>日本語論文」
ですので、
impact factorのつくジャーナルへの投稿、そしてアクセプトを目指すしかありません。

ここが最も根気のいるところですね…

また、あまりに数が少なくて困る場合には、
共著者として入れてもらった論文も加えるといいかも知れませんね。
特に英語論文のco-authorだと良さそうです。




7.  (Academic) Presentations

いわゆる学会発表ですが、他にもシンポジウムや、講演等も含まれます。

私のように若手のうちは、学会での一般口演やポスター発表がほとんどだと思います。

「英語発表>>日本語発表」

ですので、やはりここも、頑張って海外学会に参加して発表することが肝要になります。




8. Examinations

ここは、私自身が最も学生時代からやっときゃ良かったなと後悔したところです

特に、USMLEのスコアなどは一番のアピールポイントになりますし、
そうでなくともTOEFLやIELTSなどのスコアは、
(いいものだけ)載せるのにはもってこいだと思います。

ちなみに、これは英会話の先生から教えてもらったのですが、
一般的に英語圏の国の大学や大学院で認知される、
英語力を証明できる資格はTOEFLかIELTSのようです。


日本だとTOEICや英検もありますが、始
めから海外でのキャリアを考えているのであれば、
そのどちらかの勉強をするのがいいかと思います。

例えば海外のMPHを受験する際には、
TOEFLとGREという2つの試験が必要になりますし。




9. Professional associations

整形外科医 (脊椎外科医) の場合だと、
日本整形外科学会(JOA)や日本脊椎脊髄病学会(JSSR)などでしょうか。

海外学会のmemberであれば、その方が評価は高いとは思いますが、
ここは自分でもあまり気にせず記載していました。




10. Special skills

もしプログラミングや何らかのスキルがあれば、アピールになると思います。

私の先輩医師は、ここに
有限要素解析のツールである「ansys」のトレーニングを受けて
userとして使えるということを記載しておられ、流石だなと思いました。

他にも、基礎分野だとRT-PCRやWestern blottingなどが出来るなど、
そういったスキルも記載すると良さそうです。








まとめ

例えば学生時代から、USMLEの試験に合格し、
基礎のラボに出入りして何らかの成果を積み上げていれば、
非常にアピールも大きいCVになるのでしょうが、
僕のような体育会系の頭では到底ムリでした。笑


そこで、医者になってようやく頑張りだした僕が、
もし研修医に戻れたとしてCVを真剣に考えたらどうなるのか
と思ったのがこの記事を書いた動機になります。


で、その結果、思ったことは、

「いかにチャンスを掴むか」

が大事なんじゃないかな、と感じました。


「チャンス」

とはつまり
学会発表のチャンスだったり、海外学会の発表のチャンスだったり、
論文執筆のチャンス、さらにはその最たるものがawardの獲得だったりすると思います。


普段からそういった事にアンテナを張っておき、
上級医や教授などからのチャンスがあれば
いつでも引き受けられるように準備をしておく

それが充実したCVを作成する秘訣
なのではないでしょうか? 



長い記事になってしまいましたが、 
最後までお読みいただきありがとうございました m(__)m

世間はお盆で相変わらず暑いですが、

私はお盆も関係なくバイトに研究に勤しんでいます…


最近CV(履歴書)を提出する機会が多くあり、

そこで自身のhonor/award欄が寂しいことに気付きました。


きっと卒後間もないと、みなさんそういった事に悩むこともある

のではないかと思います。


そこで、今回は、

自分のアピールポイントが充実したCVを作成するために、

どういった事にチャレンジするのが良いか?

を考えてみたいと思います。


※ 当たり前ですが、CVを埋めることが目的になってはいけないと思います。

あくまで、医師としてのキャリアを積む中で、CVが充実するようになるには、

どこに気をつければ良いか、
というのが私の観点です。



まず、CVに書く内容について、見ていきたいと思います。


CVの形式は基本的に自由なので、型通りのものはありませんが、

およそ以下のものが含まれると思われます (私のCVの書式に合わせています)。



1. Education
MDやPhDについて記載します。

2.  Postgraduate training
卒業後の研修病院や、研修内容などについて書きます。

3.  Licenses / Certifications
医師免許、専門医資格やその他の資格について書きます。 

4. Honors / Awards
受賞歴や表彰歴についてです。

5. Research experience
これまでに何らかの研究に携わっていれば、その研究歴などを記載します。

6. Publications
論文に残した業績を主に記載します。

7.  (Academic) Presentations
学会発表での業績を書きます。

8. Examinations
USMLEやTOEFL, IELTSなどの資格でのスコアを記載します。

9. Professional associations
入会中の学会などについてです。

10. Special skills
その他、自分の特技などを記載します。



これらの内容を充実したものにするために、何ができるか、そして何をすれば良かったか
を見ていきます。







1. Education

ここには出身大学、そして現在在学中であれば、
その在学歴、さらには学位を取得すればその内容を書きます。
ここはあまりこだわるのは難しそうですが、私は

大学での部活歴と、その成績(東医体 or 西医体)

を記載しました。特に、私は幸運なことに体育会系の部活の西医体で
副キャプテン時に優勝することができたので、その内容を記載しました。


大学在学中に何らかの賞や功績などがあれば、それが良いですね!




2. Postgraduate training

ここは色々と書けることが多いパートです!

研修病院では、例えば救急病院の規模や、
そこでの診療実績、特に当直実績などを記載できますし、
もし研修医でチーフレジデントなどをしていれば
大きなアピールポイントになると思います。

研修医で何らかの実績があれば、その事もしっかり書きましょう。


その後の赴任病院でも、
例えば症例数がどれぐらいだったか、とか、
何らかの特化した病院(整形外科領域で行くと、腫瘍・スポーツ・小児などに特化した病院など)
であればそこでの経験をアピールすることも重要だと思います。




3. Lisences / Certifications

ここは、自分がもっとやっときゃ良かったと思うパートです。
自分が書いたのは、医師資格、BLS、ACLS、整形外科専門医だけですが、
例えばJATECやAO certificate、緩和ケア講習など、
今から思うと取れるものは取っておくべきだったかな、と思っています。

ただ、日本整形外科学会専門医の〇〇医は維持にコストがかかるので、
悩みどころではあります。。。笑 




4. Honors / Awards

これですね、 ここが埋められるようになると、カッコいいと思います。
私は、同門の脊椎研究会で頂いた奨励賞と、
ヨーロッパのとある基礎学会で頂いたyoung investigator awardを書きましたが、
もっと書きたいところです。

そして、ここだけは努力以外の要素(特に、運!)が大きく左右してきます。

ですので、例えば学会でのアワード募集などがあれば
積極的に参加するように意識するようになりました。

ちょうど今、この秋〜来春の学会の演題募集が始まっています
が、award狙いで今回は2つ出してみることにしました。

あとは神のみぞ知る、で、発表するからには万全の準備をして臨みたいと思います。




長くなりましたので、続きは次回に。
 

以前の記事で御紹介させてもらったAO Spine Japan fellowshipですが、

必要書類をすべて集めて、7月末に提出しました!


前回と重複しますが、このfellowhipはAO Spine会員であれば、

誰でも応募が可能なものです。その他の要件として、



・整形外科もしくは神経外科専門医


・1年以上 membership をもつこと


・上級医2名からの推薦状 (1人はAO Spine member)


・過去2年間に1回はAO Spineの開催するセミナーに参加していること


・過去2年間に類似するようなfellowship programに参加していない


・論文の執筆が少なくとも1 or 2本 (脊椎/整形外科/脳外科領域)


・英語の能力を証明するもの (TOEFL / IELTSなど)


・45歳以下(が望ましい)



が必要ではありますが、 その倍率はそこまで高くない、と

とある高名な先生からお聞きしたことがあります。



書類で必要なものとしては、


・CV (英文履歴書)

・PS (Personal statement; 志望動機)

・LoR 2通(Letter of Recommendation; 推薦状)
(1通はAO Spine member、もう1通は施設長(教授など)から)

・英語の能力証明書類


になります。 


私の大学の脊椎グループの先生方が

なんとAO Spineの会員ではなかったため、

1通の推薦状をどうするか少し慌てましたが、

同門の指導医でお世話になった先生でmemberの先生がおられたので、

その先生にご署名をいただきました。



現在、書類審査を待っている段階ですが、

無事に選ばれましたら、今後申請される先生方にも参考になればと思いますので、

CVなども含めてnoteでの公開も考えています。



 

前回記事の続きです!

 
前回記事に書きましたように、大学院に入るメリットは、



・ 臨床を離れて(医局にもよりますが)、絞ったテーマに集中して勉強できた。

・ 開業医の先生、他学部の先生(私の場合は工学部や理学部の先生)との出会いがあり、
そこから得られるものが意外と多かった。

・ 臨床しているよりは時間があるので、本を読んだり、資産形成などの勉強ができた。


・ 留学への足がかりを作ることが出来ている(現在進行系)。




だと思っていますが、デメリットもあります。それが、


・ 臨床から離れている期間が長いので、(術後管理含めて)手術がまたできるのか不安。

・ 研究時間が不規則で、時に何日も研究室に引きこもることも。


 

だと思います。

この両者をまず天秤にかけることが重要だと思います。


次に、大学医局に入局されていない先生だと、

「入局」
が必須なこともありますし、

医局によっては、こんなデメリットもあるかもしれません。
 

これは医局によって異なると思いますし、

幸いにして私の医局ではこんなことは全くなく

ある程度自由に研究をさせてもらっています。


ですので、大学院の進学を考えている先生は、


現在進行系で大学院生に在学中の先生に

リサーチをかけるのがいい



のではないかな、と思います。

個人的には、

「医学博士」という肩書きを得ることのメリットは現状ほとんどない

と思っていますので、それよりも


大学院で何をするか?


の方が何倍も重要だと思います。






1番やめといた方がいいな、と思うのは、


なんとなく進学して、なんとなく研究して、

卒業してなんとなく勤務医として医局人事で赴任する。


だと思いますね。


せっかくの4年間、活かすも殺すも自分次第です。 
 

 

暑い日が続いていますね。本当に寝苦しいのが辛いです。


ここ最近は、 研究や論文執筆も少し落ち着きつつある感じです。

とは言っても、もちろんすることは多いのですが…



ところで、


大学院って医師のキャリアとしてどうなのでしょうか?
(唐突)



私の場合は、記事:なぜIELTSなのか??(1)(2)(3)のところでも

少し触れましたが、


卒後2年は市中病院で初期研修を行った後、

卒後3年目に入局
して大学病院で1年勤務しました。



大学病院では、

市中病院ではなかなかないような希少症例や、

難治症例が多い為、自分で執刀どころか、

前立ち(助手)としてもほとんど経験はできず、

仕事のほとんどはサマリー作成、

カンファレンス用のカンペ作成、患者さんの回診


で終わるのが日常でした。



かと言って忙しくないわけもなく、

手術が長くかかることが多いと帰宅時間は

22時を超えることもしばしば。 



ラッキーだったのは、

大学当直や外来はdutyではなく

(というよりも してはいけなかった)、

医局から派遣された寝当直バイトに月2回程度行くことぐらいでした。


ただ、環境として

学会発表の機会は多くもらえる状況
にあったので、

臨床研究の機会があれば他の同期よりは積極的に手を挙げていた

ことを覚えています。

そのおかげで、卒後4年目に海外でoral presentationをさせてもらえたのは良い経験でした。






その後、卒後4年目から地方の2.5次病院に派遣されることになりました。

その病院は主治医執刀制で、

とにかく多くの症例の執刀をさせてもらうことが出来ました。


大学病院に1年いたことで、

他の整形外科の先生よりも遅れているという危機感

があって、自分の中では

「とにかく手術を経験して自分の腕を磨かないと」

と思っていました。

 
今から考えると、自分から勤務状況をブラックに

していたような気がします(苦笑)


積極的に手術症例を請け負って、

緊急手術も半分喜んで担当していたような、、

自分で考えても少しマッドマンですね。。。



もちろん、超勤時間は多く、その為に院長に呼び出されたこともありました。。



そういった状況で、

自分のキャリアパスを少し真剣に考え始めたのが卒後5年目
でした。


というのも、私の所属医局では、

2年周期で若手医師は病院をローテートしていくのが基本路線だったからです。


ですので、

別の病院に勤務
するのか、あるいは大学院という選択肢もある、

という状況でした。




私の考えとしては、


・臨床(特に手術)を究めることが重要だと思うけど, 本格的な研究も1度はやってみたい。

・せっかく一度きりの人生なんだし、できれば留学もしてみたい。


という考えがあったことと、市中病院に派遣された1年少しで


・自分ではどうすることも出来ない難治症例が少なからず存在する。

・付け焼き刃的な知識しか自分は持ち合わせておらず、真理をもっと追求したい。


という気持ちもあったことが相まって、大学院への進学を希望することにしました。


そして教授と面談し、卒後6年目からの大学院入学、という道を歩み、今に至っています。







はっきり言って、これが良かったのか悪かったのかは分からないし、

誰にも評価出来ないと思います。


ただ、大学院に入学して3年経った今から考えると、


・ 臨床を離れて(医局にもよりますが)、絞ったテーマに集中して勉強できた。

開業医の先生、他学部の先生(私の場合は工学部や理学部の先生)との出会いがあり、そこから得られるものが意外と多かった。

・ 臨床しているよりは時間があるので、他の分野の本を読んだり、資産形成などの勉強が十分にできた。

留学への足がかりを作ることが出来ている(現在進行系)。



 この辺りは、大学院に入学して良かった点かなー、と思っています。ただ、



・ 臨床から離れている期間が長いので、(術後管理含めて)手術がまたできるのか不安

研究時間が不規則で、時に何日も研究室に引きこもることも。



というデメリットもあったかな、と思います。


特に1つ目のデメリットは、正直に現在進行系で不安です。
 

次の記事に続きます。 

 

前回記事の続きになります。


 IELTSの勉強を開始してしばらくした後に、

偶然にも国内の学会でオーストラリアの意中の病院の先生が

講演に来られることがありました。


そこで、その講演を最前列で聴き、

質問もしてアピールした上で、

講演終了後に直接アタックし、


大学院卒業後に是非あなたの施設で勤務したい

ということと、

それが可能かなのかどうか


思い切って尋ねてみました。




その先生の返答は、


気持ちはwelcomeだが、大学院を卒業する頃にならないとわからない,

病院の整形外科の人員(フェロー)の枠にもよるので、

それまでにIELTSの資格をクリアして欲しい



という返事でした。



自分としては、頭からダメだと言われる可能性が高いと思っていたので、
良い意味で予想外で嬉しかったことを覚えています。






そこから3年の月日が経ち、

今年になってその先生が再度来日されて講演される

機会がありましたので、講演終了後に再度アタックしました。


幸いなことに私のことを覚えておられていて嬉しかったのですが、

現時点でのフェローの枠がなく、

翌年の4月から受け入れられるかどうかの

明確な返事は出来ない、

と言われてしまいました。




ここで、自分のプランは一旦白紙になったわけですが、

諦めきれない私は他の手段を考えることにしました。


それは、


1. AO Spine Japan fellowship の制度を利用して、

短期でもいいので臨床留学 (最長3ヶ月)


2. 他のコネをとりあえず探す



この方向にシフトすることを考えるようになりました。



大学院卒業後、例のオーストラリアの施設の空きが出るのを

待つのも1つの手だとは思ったのですが、 大学院を卒業すると、



医局からどこに赴任するように言われるかわからない!

そして、

その施設で多忙になると、留学どころではなくなってしまう可能性が高い!



そういう点を考慮すると、

この大学院卒業のタイミングで何としても留学したい!!

と考えました。




そこで上記の両立て戦略で様々な方向にアプローチをしていた矢先、

私の尊敬する先輩医師が行っておられた留学先から声をかけてもらって、

留学の方向に話を進めている、という経緯になります。






当初の予定からは大きく方針は変わってしまったのですが、

IELTSを勉強することは間違っていなかったように思います。



現在考えている留学先でも、英語力の証明を求められ、

IELTSでの評価で問題なかったですし、

実はTOEFL-iBTよりも点数は取りやすいように思います。



将来、自分がどのような道を歩んでいくか分かりませんが、

オーストラリアなどへの臨床での勤務は諦めていないですし、

まずはアメリカへ留学して揉まれて強くなろう
と思います。

 
 

前回記事の続きです。


オーストラリアは各州によって異なりますが、

基本的にはLicenseというものはなく、

Registration
という形で医師登録を行う形になっています。



Registrationには2種類あり,

Limited registration
Full registration というものがあります。





Limited registration (暫定登録)は,

例えばsubspecialityで必要の高い分野や、

臨床研修、指導や研究目的などでの暫定登録があり、

私がオーストラリアの先生に聞いたところでは、

3年間は勤務(診療)可能
になる、ということでした。



その中で、3年以上にわたって働く場合には

full registration
が必要であり、

Australian Medical Council (AMC)の行う

試験に合格することが必須になるようです。


(ただ、specialityの高い分野では、

AMC examinationに合格しなくても、

それに代わる技能や資格を持っていれば

full registrationが受けられるようですが、

詳細は私もあまり知りません)



したがって、USと比較すれば、オーストラリアのほうが

臨床医としてやっていくにはハードルがずいぶん下がるのですが、

一つ問題があります。それが、


英語力の証明です。




前置きが長くなりましたが、この英語力の証明について、

一般的には次の2つのいずれかをクリアすることが必須になります。



A) IELTS academic module : 1回のテストで、すべての sectionで7.0以上
 
B) Occupational English Test (OET) : 4つのすべてのsectionでA or B以上


ということでした。


IELTSは一般的な分野の試験ですが、

OETは医療従事者向けの試験で医療系の会話や、

診断書の記入などのsectionもあります。





この時点で、どちらを選択するか考えたのですが、

まだ勉強を行う時点ではオーストラリアでのコネはないし、

OETのテストも入手した(HPで見ることは可能)のですが、

あまり自分に合ってなさそうだったこともあり、



もしオーストラリアへの留学が難しくなっても、

全世界的に自身の英語評価として使える

であろうIELTSの勉強を行うことに決めました。
 


この続きは、また次回記事で。
 

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