前回記事で、オンライン研究会や学会について考察を行ってみましたが、
やはり勉強のベースとなるものは論文や教科書が中心となります。
以前の記事で脊椎外科を勉強するのに必要であろう教科書について
紹介させて頂きましたが、その記事を書いてからしばらく経過し、さらに
感銘を受けたものや勉強になった本がいくつかありましたので、
今回はそれらについて紹介させていただきます。
ぜひ皆様の明日からの日常診療に活かされれば嬉しく思います。
では行きましょう!
-------------------------------------------------------------------------------------------
1. 痛み治療のための超音波ガイド下神経ブロック実践テキスト
2. 脊椎エコーのすべて
日常診療において、いわゆるエコー (超音波装置)は必須のものになっています。
脊椎外科領域以外の部分でも当然ながら活躍するエコーですが、とりわけ
ブロック注射や伝達麻酔など、エコーガイド下神経ブロックは特に有用です。
私自身、治療目的の頚椎神経根ブロックや仙骨孔ブロック、上殿皮神経ブロックや
坐骨神経ブロック、さらには上肢手術時の腋窩部ブロックや斜角筋ブロックでは
エコーを使いまくっています。
(細かい話ですが、仙腸関節ブロックはブラインド手技で行っています)
僕自身、エコーは もはやなくてはならないものですし、その勉強は必須だと思いますが
意外に良い教科書がないな…と昔は思っていました。
しかし、上記に挙げた2冊の本は本当にわかりやすく、かつビジュアルが理解しやすく
なっています。エコーの画像やイラストが多いので感覚的に理解しやすい構造になっています。
1は麻酔科 (ペインクリニック)からの視点、2は脊椎外科からの視点で書かれており、
どちらもオススメです。エコー画像が多く四肢も含めて網羅されているのは前者、
脊椎外科関連に特化してイラストが多く理解しやすいのは後者かなと思います。
痛み治療のための超音波ガイド下神経ブロック実践テキスト [ 齊藤 洋司 ]
脊椎エコーのすべて 頚肩腕部・腰殿部痛治療のために -SONOANATOMY、 TARGET and INTERVENTION- [ 岩崎 博 ]
3. 整形外科イラストレイテッド 腰椎の手術、頚椎・胸椎の手術、脊髄の手術
前回記事では、手術用の参考書として、「脊椎脊髄の手術」を紹介させて頂きました。
この本は非常に有用で、本当にお世話になっている教科書ですが、
どちらかと言えばやや応用向けの内容となっている印象です。
脊椎外科を志した先生方 (や、大学院・留学明けで完全に臨床力が落ちていた私)にとって
より基本的な手術手技や内容、基本に立ち返って勉強しようと思った際に
色々と本を読んだ結果、最も参考になったのが「整形外科イラストレイテッド」の
脊椎手術の本になります。
これも上述の参考書と同様に、とにかく絵がキレイ!!
さらにピットフォールについても詳細に書かれていて、基本に立ち返ることができる
良書だと思います。価格はやや高いですが、その価値は十分にあると思います。
4. 基本腰椎外科手術書
「何を今さらこんな名著を紹介するんだ」と思う先生方も多いと思いますが、
最後にこの名著をご紹介させてください。
富山医科薬科大学に教授をされていた辻陽雄先生の著書で、腰椎外科を扱う上では
まさに「聖書」のような存在の教科書になります。
実はこの本は私にとって最初に脊椎外科に触れた教科書でした。
研修医のときに整形外科をローテーションした際、
その病院で脊椎外科の主任をされていた先生に、
「もし脊椎外科を志すなら、まずこの本を読破しなさい」
と言われ、その先生に貸していただいた教科書がこの本でした。
2ヶ月のローテーションで必死に読みましたが、その際にはさほど深くは理解できて
いなかったのではないかなと今では思います。
時が経ち、 今年のJSSRにオンラインで参加していた際に、富山大学の川口先生が
「手術の基本手技と器具の使い方」という題でご講演をされておられ、そこで
この本から学ぶ辻先生の考え方や、手術への向き合い方について話しておられました。
その内容が私の心に刺さり、やはり
基本に立ち返って勉強することを忘れてはいけない
と思い、今年に入って再度読破しました。
約10年ぶりに読みましたが、新たに得られた内容 (今まで意識していなかった内容や、
道具の使い方の盲点など)が多く得られ、まさに「名著」だなと再認識致しました。
実は絶版になってしまっており、リンクは下記に載せておりますが、
Amazonや楽天から入手することは高価な点から困難かもしれません。
ですが、まだ一度も読んだことのない若い先生方には、ぜひ目を通していただきたい、
自信を持っておすすめしたい教科書になります。
今回は以上になります。
これからも、いい本を発見したらまたご紹介させていただきます!
やはり勉強のベースとなるものは論文や教科書が中心となります。
以前の記事で脊椎外科を勉強するのに必要であろう教科書について
紹介させて頂きましたが、その記事を書いてからしばらく経過し、さらに
感銘を受けたものや勉強になった本がいくつかありましたので、
今回はそれらについて紹介させていただきます。
ぜひ皆様の明日からの日常診療に活かされれば嬉しく思います。
では行きましょう!
-------------------------------------------------------------------------------------------
1. 痛み治療のための超音波ガイド下神経ブロック実践テキスト
2. 脊椎エコーのすべて
日常診療において、いわゆるエコー (超音波装置)は必須のものになっています。
脊椎外科領域以外の部分でも当然ながら活躍するエコーですが、とりわけ
ブロック注射や伝達麻酔など、エコーガイド下神経ブロックは特に有用です。
私自身、治療目的の頚椎神経根ブロックや仙骨孔ブロック、上殿皮神経ブロックや
坐骨神経ブロック、さらには上肢手術時の腋窩部ブロックや斜角筋ブロックでは
エコーを使いまくっています。
(細かい話ですが、仙腸関節ブロックはブラインド手技で行っています)
僕自身、エコーは もはやなくてはならないものですし、その勉強は必須だと思いますが
意外に良い教科書がないな…と昔は思っていました。
しかし、上記に挙げた2冊の本は本当にわかりやすく、かつビジュアルが理解しやすく
なっています。エコーの画像やイラストが多いので感覚的に理解しやすい構造になっています。
1は麻酔科 (ペインクリニック)からの視点、2は脊椎外科からの視点で書かれており、
どちらもオススメです。エコー画像が多く四肢も含めて網羅されているのは前者、
脊椎外科関連に特化してイラストが多く理解しやすいのは後者かなと思います。
痛み治療のための超音波ガイド下神経ブロック実践テキスト [ 齊藤 洋司 ]
脊椎エコーのすべて 頚肩腕部・腰殿部痛治療のために -SONOANATOMY、 TARGET and INTERVENTION- [ 岩崎 博 ]
3. 整形外科イラストレイテッド 腰椎の手術、頚椎・胸椎の手術、脊髄の手術
前回記事では、手術用の参考書として、「脊椎脊髄の手術」を紹介させて頂きました。
この本は非常に有用で、本当にお世話になっている教科書ですが、
どちらかと言えばやや応用向けの内容となっている印象です。
脊椎外科を志した先生方 (や、大学院・留学明けで完全に臨床力が落ちていた私)にとって
より基本的な手術手技や内容、基本に立ち返って勉強しようと思った際に
色々と本を読んだ結果、最も参考になったのが「整形外科イラストレイテッド」の
脊椎手術の本になります。
これも上述の参考書と同様に、とにかく絵がキレイ!!
さらにピットフォールについても詳細に書かれていて、基本に立ち返ることができる
良書だと思います。価格はやや高いですが、その価値は十分にあると思います。
4. 基本腰椎外科手術書
「何を今さらこんな名著を紹介するんだ」と思う先生方も多いと思いますが、
最後にこの名著をご紹介させてください。
富山医科薬科大学に教授をされていた辻陽雄先生の著書で、腰椎外科を扱う上では
まさに「聖書」のような存在の教科書になります。
実はこの本は私にとって最初に脊椎外科に触れた教科書でした。
研修医のときに整形外科をローテーションした際、
その病院で脊椎外科の主任をされていた先生に、
「もし脊椎外科を志すなら、まずこの本を読破しなさい」
と言われ、その先生に貸していただいた教科書がこの本でした。
2ヶ月のローテーションで必死に読みましたが、その際にはさほど深くは理解できて
いなかったのではないかなと今では思います。
時が経ち、 今年のJSSRにオンラインで参加していた際に、富山大学の川口先生が
「手術の基本手技と器具の使い方」という題でご講演をされておられ、そこで
この本から学ぶ辻先生の考え方や、手術への向き合い方について話しておられました。
その内容が私の心に刺さり、やはり
基本に立ち返って勉強することを忘れてはいけない
と思い、今年に入って再度読破しました。
約10年ぶりに読みましたが、新たに得られた内容 (今まで意識していなかった内容や、
道具の使い方の盲点など)が多く得られ、まさに「名著」だなと再認識致しました。
実は絶版になってしまっており、リンクは下記に載せておりますが、
Amazonや楽天から入手することは高価な点から困難かもしれません。
ですが、まだ一度も読んだことのない若い先生方には、ぜひ目を通していただきたい、
自信を持っておすすめしたい教科書になります。
今回は以上になります。
これからも、いい本を発見したらまたご紹介させていただきます!